ローリング・ストーンズ アナログ盤蒐集生活!

ただひたすらにローリング・ストーンズのレコードを紹介しているブログです。

ローリング・ストーンズ UK盤EP5×5レアな全曲リアル・ステレオ盤!!

UKの2枚目のEP『5×5』です。このレコードは通常モノラルですが、プレスの時期によって全曲リアル・ステレオのレコードが存在します。私は97年にマニアの方からこのリアル・ステレオ盤があるらしい、と聞いて探し始めました。しかし情報が全くなく半ば諦めていましたが2012年に日本で一番有名なストーンズの掲示板に投稿したところすぐに持っている方から情報を頂きました。それから4年、今年の始めにeBayでやっと入手出来ました。入手出来たのはマニアの皆さんのおかげです。ありがとうございました!しかし19年は長かった~!ステレオのマスターが使われたレコードは70年代後半から80年にかけてプレスされたものです。

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ジャケットは通常のものと同じデザインです。

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印刷所は70年代後半からのPineburn Pressになります。(60年代~70年代前半はMacNeil Pressです。)Pineburn Pressでも後期のボックスト・デッカや80年代のソリッド・センターのものが入っている時があるので注意です。相変わらずMike Jaggerとミスってます。

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ジャケットは表側も裏側もMONO表示です。

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余談ですが、MacNeil Pressの方は70年代前半からフリップバックではなくなっていますがこのPineburn Pressではフリップバックが復活しています。

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ラベルです。70年代後半から80年にかけて出回った中央がプラスティックになっているものです。写真が明るくなってしまいましたが実際はきれいな青です。マトリクスはDFE8590 A//2∇ED/DFE8590 B2//∇EDです。出回った期間が短かったせいかUK盤EPの3タイトルともこの時期のプレスは入手が難しいです。

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B面のラベルです。

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ラベルもMONO表示です。規格番号がDEF 8590とミスっています。また別の機会に触れますが『THE ROLLING STONES』と『GOT LIVE』のこのラベルもDEFとミスっています。

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現行のCDでは5曲全部がリアル・ステレオ化されていますが、それより何年も前にステレオで出ていたとは驚きです!このラベルの次の80年代のソリッド・センターのラベルでは再びモノラルに戻ってしまうので何故この時だけステレオだったのか不明ですが、70年代中期のUK盤では他のレコードでもリアル・ステレオに入れ替わっている曲があるので要注意です。また「Confessin' The Blues」が収録された日本盤の『チャック・ベリーを唄う』が発売されたのが83年6月25日ですのでそれよりも前にこのEPでステレオ化されていた事になります。アメリカではこの5曲は『12×5』に収録され、ステレオ盤も出ていますがUSA盤のアルバムは疑似ステです。このEPはカヴァー、オリジナルともに全曲素晴らしい演奏で私のお気に入りのレコードです。『5×5』の60年代~80年代のジャケットとラベルの変化についてはまたの機会に紹介します。

ローリング・ストーンズ USA盤プロモSONGS OF THE ROLLING STONES!!

ローリング・ストーンズのUSA盤プロモ『SONGS OF THE ROLLING STONES』(規格番号:MPD-1)です。ABKCOによって75年と79年に作られました。30曲も収録されていますが全て1'30"~2'00"位で終わってしまい完奏していません。また裏ジャケにNot For Sale or Air Playとクレジットがあり何のために作られたプロモか不明です。75年版と79年版は収録曲は同じですが、ジャケットが全く違います。こちらは75年版です。ジャケットはROCK' N ROLL CIRCUSの写真が使われています。

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リア・カヴァーです。左上にABKCOのロゴ、タイトル、曲目、下部にNot For Sale or Air Playとクレジットがあります。

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A面のラベルです。ブルーのABKCOのラベルです。PROMO表記はどこにもありません。マトリクスは手書きでMPD-1A/MPD-1Bです。

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B面のラベルです。

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79年版です。規格番号は同じですがジャケットのデザインが新装されました。ブライアン期とテイラー期の組み合わせでなかなかカッコいいデザインです。

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裏ジャケです。75年版より文字が細かくなっています。ABKCOのロゴは上部中央に移動しています。下部のNot For Sale or Air Playのクレジットも控えめになり、その下にアブコの住所と電話番号があります。

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A面のラベルです。75年版と比べると薄い青になっています。タイトルと曲名、SIDE 1、SIDE 2が大文字表記になり、75年版同様こちらもPROMO表記はありません。マトリクスは手書きでMPD 1A-2 K12237GOL/MPD 1B-2 K12238GOLです。K以降は離れています。また両面ともSTERLINGの刻印があります。

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B面のラベルです。

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曲目の部分です。

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不思議なのはストーンズ・レーベルになってからの「Wild Horses」「All Down The Line」「Sweet Virgina」「Shine A Light」「Loving Cup」が収録されていることです。「Wild Horses」はアブコに人質に取られているのでわかりますが、他の4曲は何故収録されたのか不明です。演奏内容はイントロから上の画像の裏ジャケのタイムでフェイド・アウトしてしまいますが、「You Can't Always Get~」「Sing This All Together」「Sweet Virgina」の3曲はイントロなしでミックの歌から始まります。また「Blue Turns To Grey」はイントロの途中から始まります。75年の時点でモノラルしか発売されていなかった曲はモノラルでリアル・ステレオの曲はステレオで収録されていますが「All Down The Line」はモノラルで、シングルのモノ・ミックスとは違い普通のアルバム・ミックスをモノラルにしたものとなっています。なんだか訳の分からない収録内容でホントに何のために作られたプロモか不明ですね~。CD時代になってからも『AT THE MAX』(SACD 1004)というこれと似たプロモがあり、こちらは収録曲全部が1'30"でフェイド・アウトしてしまいます。最近アブコはモノ・ボックスを出して頑張っていますが、そろそろ60年代の未発表曲をまとめたCDも出して欲しいですね! 

ローリング・ストーンズ AFTERMATH各国盤Diffカヴァー!!

ストーンズ初の全曲オリジナル『AFTERMATH』です。このアルバムにも少しですが各国盤のDiffカヴァーがあります。CD時代になってからUKヴァージョン、USAヴァージョンがありますが、日本ではアナログ時代ずっとUKヴァージョンだったので古くからのファンの方にはUKヴァージョンの方が馴染み深いですね!まずはUK盤です。イギリスでは1966年4月15日に4枚目のアルバムとして発売されました。規格番号はモノラルLK 4786、ステレオSKL 4786です。f:id:jukeboy:20161009134210j:plain

UKのモノラル盤にはシャドー・カヴァーと呼ばれるタイトルに影があるジャケットが存在します。初版という説がありますが、何枚かのマトリクスで確認すると普通の文字のジャケットの方には-1B/-1Aがありましたが、シャドー・カヴァーの方は-1B/-5Aだったり-6B/-4Aだったりするのでそれは違うと思います。シャドー・カヴァーには影の色違い2種存在するらしいですが未確認です。

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US盤です。アメリカ独自のジャケットで1966年7月2日、イギリスより3ヶ月遅れで発売されました。「Mother's Little Helper」が外され、当時の新曲「Paint It Black」が1曲目に収録されています。また、「Out Of Time」「Take It Or Leave It」「What To Do」が収録されていません。また曲順もUK盤とは違います。規格番号はLL 3476(モノラル)、PS 476(ステレオ)です。

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『AFTERMATH』のDiffカヴァーで面白いのは意外と日本かもしれません。日本では66年7月にUKヴァージョンで発売されました。日本独自の上からメンバーを撮った写真が使われています。正式なタイトルは『ステレオ/ザ・ローリング・ストーンズ/アフターマス(余波)第5集』です。帯の値段が1800円が初版で途中で物品税が下がったため1750円がセカンドです。日本盤帯付きはまたの機会に詳しく触れます。

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ジャケットは見開きで裏側は『BIG HITS』のリア・カヴァーと同じです。下部にタイトルと曲目が書かれています。『AFTERMATH』の見開きは意外と日本だけだったりもします。

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オリジナルはゴールドの帯でしたが帯にあった懸賞付きのセールが終わったのか紺色の帯に変っています。

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69年春にはファーストから『GOLDEN ALBUM』までの6枚のアルバムがサイケ調のカヴァーに変って再発されています。

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また、珍品として取り上げますが72年に再発された日本盤はジャケットはUSA、曲目はUKです。日本でやっとジャケットがUKヴァージョンとなったのは発売から10年後の76年に全タイトルまとめて発売されたGP規格からでした。こう考えると66年から76年まではこのアルバムのジャケットがそれぞれ違うので買った人の時期によって印象が大分違うでしょうね。私はこの72年再発のジャケットはUSA、中身はUKのものを初めて買ったのでこれがホントの『AFTERMATH』だと思っていました(笑)が、当時はそれほど情報がなかったんですよね~。

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次はイスラエル盤です。こちらはTVショーのステージ写真が使われています。リア・カヴァーはUKと同じデザインです。レーベルはPAX、規格番号はISK-1016で曲目はUK盤と同じです。のちに同じ規格番号でUK盤と同じジャケットで発売されています。イスラエルは他のタイトルも独自のデザインで発売されていて面白いです。

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 次はアルゼンチン盤です。US盤と同じ写真ですが、タイトルが現地語表記で『CONSECUENCIAS』となっています。グループ名もLos Rolling Stonesです。左下に「Paint It Black」が収録されていることが現地語で書かれています。レーベルはLONDON、規格番号はLLM-17274でモノラルのみ発売されました。

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リア・カヴァーはアルゼンチン独自のものです。曲名と解説も現地語でクレジットされています。収録曲はUS盤と同じです。なお、アルゼンチンでは86年にUK盤と同じジャケット、同じ曲目で再発されています。

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次はブラジル盤です。フロント・カヴァーはUK盤と同じ写真ですが白黒のコピーのような感じです。左上にLONDONのロゴ、右上に規格番号があります。ジャケットの作りは厚紙をビニールで挟んだだけのブラジル独自のジャケットです。規格番号はLLN 7118で当初はモノラルだけの発売でした。

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リア・カヴァーです。ブラジル独自のデザインです。曲目はUK盤から「Going Home」「Out Of Time」「I Am Waiting」を外したブラジル独自の変則的なものとなっています。

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72年には規格番号LLN 7118Sのステレオ盤が発売されました。こちらでは初回盤で外された3曲が復活しUK盤と同じ曲目、曲順となっています。左上のLONDONロゴの下にステレオを表すESTEREO表記があります。ジャケットもビニールで挟んだものではなく普通の作りです。

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リア・カヴァーも変更となっています。グループ名の横にUK盤のラベルのようにMICK,KEITH,CHARLIE,BRIAN AND BILLとメンバーの名前がクレジットされています。 

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次はウルグアイ盤です。こちらは独自の全く違うデザインです。規格番号はLL-3476でモノラルのみ発売されました。レーベルはLONDON、収録曲はUSと同じです。

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リア・カヴァーはタイトルと曲名だけのシンプルなデザインです。英表記の下に現地語でクレジットがあります。

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 次はメキシコ盤です。ジャケットの写真はUS盤と同じですがタイトル、グループ名の下に曲名があります。右上にPeerlees 1192、右下にLONDONのロゴがあります。規格番号は1192でモノラルです。ステレオは70年代にM/S 1192として追加されています。

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リア・カヴァーはメキシコ独自のものでグループ名、タイトル、曲目のシンプルなデザインです。

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あと、UK盤と同じデザインですが左上に珍しい表記が入ったイタリア盤です。規格番号はLK-I 4786でモノラルです。ステレオは70年代まで発売されませんでした。リア・カヴァーはUK盤と同じデザインです。

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ストライプの部分です。「Goin' Home」についてイタリア語でクレジットがあります。 

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『AFTERMATH』はUKとUSAで違うジャケット、違う内容ですので現在でもそれぞれのヴァージョンでCDが発売されています。ただアナログ時代は『サタニック』とかと比べるとDiffカヴァーが少ないですね。南米盤は裏側が違う程度で全く違うのは日本、イスラエルウルグアイ位でした。このアルバムは曲調もバラエティに富んでいて、またいろいろな楽器が使われています。ストーンズのオリジナル曲が完璧に出来上がってきた時期の名作だと思います!またストーンズ初のリアル・ステレオ盤が作られましたが、私は低音が響いて音が一丸となって飛び出してくるモノラル盤が好きです。今回のMONO BOXでも『AFTERMATH』は一番のおススメです。またドイツ盤で『AFTERMATH & OUT OF TIME』というアルバムがありますが、1曲目が「Mother's Little Helper」ではなく「The Spider And The Fly」に変えられています。このアルバムは今回一緒に紹介しようかと迷いましたがドイツ・クラブ・エディションの時にまとめて紹介します。