ローリング・ストーンズ アナログ盤蒐集生活!

ただひたすらにローリング・ストーンズのレコードを紹介しているブログです。

ローリング・ストーンズ GOATS HEAD SOUPからUSAプレス工場コードを調べてみた!!

『STICKY FINGERS』のプロモの時に触れましたが、アメリカでは同じレコードでも複数のレコード工場でプレスされています。ラベルに印刷されていたり溝に刻印されていたりします。一番わかりやすいのがストーンズ・レーベルのラベルの下部にPRやRIと印刷されているものです。ここでは一番数が多い『GOATS HEAD SOUP』のラベルで進めていきたいと思います。同時に『GOATS HEAD SOUP』のラベル違いも見れると思います。『GOATS HEAD SOUP』にないものは最初の4枚から挙げてみました。また、〇〇は高音が伸びるとか、△△は中低音が大きいとかありますが、ステレオの環境によっても私の耳によっても違いますのでここでは省略します。その代りマトリクスを載せておきますので参考にしてみてください。

RIです。インディアナ州のCompany Richmondです。PRCと書かれているのもここになります。このラベルのリムにはDIST. BY~で始まる旧住所が印刷されています。マトリクスはST-RS-732933-COC-1-11 ST73/ST-RS-732934-GGG-1-1111 ST73です。両面ともST73は離れて刻まれています。

f:id:jukeboy:20161026222628j:plain

上と同じRIですが、こちらはリムがROLLING STONES RECORDSから始まる73年後半に引越した新住所の表示になっています。マトリクスはST-RS-732933-DDD-1-111/ST-RS-732934-FFF-1-11です。

f:id:jukeboy:20161026222834j:plain

MOです。カリフォルニア州のMonarch recordsです。マトリクスはST-RS-732933-A  AT△18279(4)/ST-RS-732934-GG-EX △18279-X(7) ST73です。 

f:id:jukeboy:20161026223034j:plain

LAです。このプレス工場コードは今のところ不明です。情報をお願いします。マトリクスはST-RS-732933-C/ST-RS-732934-G ST73です。

f:id:jukeboy:20161026223427j:plain

BWです。ニュー・ジャージーのBestway Products,Inc.です。Bもこの工場です。マトリクスはST-RS-732933-A/ST-RS-732934-Fです。

f:id:jukeboy:20161026224707j:plain

CTHです。インディアナ州のTerre Hauteです。CTとTHもこの工場になります。マトリクスはST-RS-732933-A T-CTH/ST-RS-732934-E CTHです。

f:id:jukeboy:20161027205724j:plain

PRです。ニュー・ジャージー州のPresswell Recordsです。マトリクスはST-RS-732933-A/ST-RS-732934-Eです。ストーンズ・レーベルのレコードでよく見る記号です。RECORD CLUB OF AMERICAのレコードもここです。レコード・クラブは全アルバムまとめて別の機会に触れます。

f:id:jukeboy:20161027210017j:plain

CSMです。カリフォルニア州のSanta Mariaです。S、SM、CSもこの工場です。ラベルに旧住所が使われています。マトリクスはST-RS-732933-D/ST-RS-732934-Hです。

f:id:jukeboy:20161027210358j:plain

CPです。ニュー・ジャージー州のColumbia Pitmanです。マトリクスはST-RS-732933-D/ST-RS-732934-Dです。

f:id:jukeboy:20161027211042j:plain

LYです。ニュー・ヨーク州のShelly Productsです。『HOT ROCKS』初回のShelly盤で有名な工場です。SHもこの工場です。マトリクスはST-RS-732933-B/ST-RS-732934-Fです。

f:id:jukeboy:20161027211421j:plain

FTです。このプレス工場コードは今のところ不明です。情報をお願いします。マトリクスはST-RS-732933-B/ST-RS-732934-Hです。

f:id:jukeboy:20161027212452j:plain

ここまでが『GOATS HEAD SOUP』で見られたプレス工場コードです。旧住所とレコード・クラブのラベル違いを含めると全部で12枚もある事になります。『STICKY FINGERS』など他のタイトルと比べると『GOATS HEAD SOUP』は多数の工場でプレスされていたことが分かります。次は『GOATS HEAD SOUP』になかったプレス工場を他のアルバムで挙げてみました。

『STICKY FINGERS』ではPR2種+レコード・クラブ2種、MO、RI2種、SOを確認しました。『GOATS HEAD SOUP』になかったプレス工場が1枚ありました。SOです。ニュー・ヨーク州のSonic Recording Productsです。マトリクスはST-RS-712189 B/ST-RS-712190 Bです。 

f:id:jukeboy:20161028205714j:plain

『STICKY FINGERS』ではプレス工場コードがないレコードも存在しています。マトリクスはST-RS-712189 FFFF/ST-RS-712190 CCCCです。

f:id:jukeboy:20161028205952j:plain

EXILE ON MAIN STREET』です。PR2種+レコード・クラブ、MO2種、RIのZIP CORD有り無し2種、CP、LY、CSM、SP、CAPを確認しました。『GOATS HEAD SOUP』になかったプレス工場が2枚ありました。SPです。ペンシルベニア州のSpecialty Recordsです。マトリクスはST-RS-722507-A/ST-RS-722508-Aです。

f:id:jukeboy:20161028210744j:plain

あと、CAPがありましたがこちらは不明です。この情報もお願いします。マトリクスはST-RS-722507-A/ST-RS-722508-Cです。

f:id:jukeboy:20161028210930j:plain

『IT'S ONLY ROCK'N ROLL』です。PR、SP、MO、RI、LY、CP、FT、GRTを確認しました。『GOATS HEAD SOUP』になかったプレス工場が1枚ありました。GRTです。カリフォルニア州のGeneral Recorded Tape Corp.です。マトリクスはST-RS-743197-F/ST-RS-743198-Lです。

f:id:jukeboy:20161028211509j:plain

ストーンズ・レーベルの最初の4枚で見ましたが、こんなにもたくさんの工場でプレスされていたとは驚きですね。その他にはLONDON盤で見られるAL=ペンシルベニア州のRecord Co. of Allentown.、GL=ニュー・ヨーク州のGloversville、P=ニュー・ジャージー州のPitmanなどがありますが、その他ストーンズのレコードには関係ない工場も数多くあります。今回はストーンズ・レーベルの中で一番製造工場の多い『GOATS HEAD SOUP』を例に挙げましたが、アメリカは広い事が実感しました!また『GOATS HEAD SOUP』のアメリカ盤にはオーストラリア向けの輸出仕様が存在しますがまた別の機会に触れます。

ローリング・ストーンズ ドイツ編集盤GREAT HITSのラベル違い+他国盤!!

ローリング・ストーンズのドイツ編集盤『GREAT HITS』です。A面は『BETWEEN THE BUTTONS』と『AFTREMATH』から、B面は『ファースト』を中心に初期のナンバーを収録した一見なんじゃこりゃ!という編集盤です。ドイツでは1969年6月に発売され、規格番号はND 265です。このアルバムにはドイツ本国で3種、再発2種、スイス、オランダ、フランスでプレスされたレコードが存在します。ジャケットはドイツの再発を除き60年代中期のカッコいい写真が使われています。ドイツ、スイス盤は両面コーティングされています。

f:id:jukeboy:20161004195817j:plain

曲目です。先にも書きましたがA面は『BETWEEN THE BUTTONS』と『AFTREMATH』から、B面は『ファースト』を中心に初期のナンバーが収録されています。

f:id:jukeboy:20161025134645j:plain

ドイツ・オリジナル盤のリア・カヴァーです。レコードの広告にスモール・フェイセスのレコードが2枚載っているのが特徴です。ジャケット下部のSTEINAWAY & SONSの文字が大きいです。

f:id:jukeboy:20161004200228j:plain

ドイツのセカンド・プレスのリア・カヴァーです。レコードの広告からスモール・フェイセスが消えています。ジャケット下部のSTEINAWAY & SONSの文字が小さいです。サード・プレスは右上のND 265の下にAFとSTEREOが追加されています。左上のSTEREOはありません。なおセカンド・プレス以降はこの裏ジャケの広告のレコード違いが6パターンも存在するそうですがとてもそこまでは揃えきれません(笑)。

f:id:jukeboy:20161004200504j:plain

オリジナル盤のラベルです。STEREOの文字が波打っていてステレオ効果を表すようなデザインになっています。レコードの溝の部分にManufactured in Germanyの刻印があります。マトリクスは機械打ちでK LPD Ste-013640-X S-H-I/K LPD Ste-013641-X S-H-Iです。S-H-Iの部分だけ手書きです。 

f:id:jukeboy:20161004200842j:plain

A面は全てリアル・ステレオですが、B面は疑似ステのためElectonic Stereoのクレジットです。こういうこだわりがドイツ盤らしいですね(笑)。

f:id:jukeboy:20161004200939j:plain

セカンド・プレスです。STEREOが普通の文字に変っています。刻印とマトリクスは初版と同じです。B面はElectonic Stereoのクレジットがあります。 

f:id:jukeboy:20161021134935j:plain

サード・プレスです。「musik fur alle」のロゴがなくなっています。刻印とマトリクスは初版と同じです。B面はElectonic Stereoのクレジットがあります。資料には74年3月リリースとあります。 

f:id:jukeboy:20161021135407j:plain

レアなスイス盤です。ドイツの初版とジャケットの表と裏は同じですが、裏ジャケ右下の国名(Germany)の辺りのクレジットが黒く塗りつぶされています。外からスイス盤を見分ける方法はこの黒く塗りつぶされた部分を見るしかありません。上からドイツ初版、ドイツセカンド&サード、スイス盤です。

f:id:jukeboy:20161021135754j:plain

裏ジャケの下部左側はスイス盤とドイツの初版は同じです。上からドイツ初版、ドイツセカンド&サード、スイス盤です。スイス盤とドイツの初版はSTEINWAY & SONS の位置が中央にあります。

f:id:jukeboy:20161021135940j:plain

スイス盤のラベルです。円周のクレジットがドイツ盤と違います。その他の文字、配置はドイツの初版と全く同じです。レコードの溝の部分にMade In Switzerlandの刻印があります。マトリクスはドイツ盤と同じです。B面にはElectonic Stereoのクレジットがあります。

f:id:jukeboy:20161021140327j:plain

このアルバムはオランダでも発売されています。ジャケットは基本的にはドイツ盤と同じデザインですが、左上にある「musik fur alle」のロゴがオランダ盤では「THE GOLDEN ERA OF HITS」となっています。規格番号は6454 012で1969年9月に発売されました。曲目はドイツ盤と全く同じです。

f:id:jukeboy:20161021140952j:plain

ロゴの部分です。左がオランダ盤、右がドイツ盤です。オランダ盤ではSTEREOのクレジットが追加されています。

f:id:jukeboy:20161021141109j:plain

リア・カヴァーです。ドイツ盤とは全く違うデザインで、左側にストーンズのアルバムが載っています。『MILESTONES』や『GIMME SHELTER』など70年代のアルバムが載っているので、おそらく広告のレコード違いのジャケットも存在すると思います。

f:id:jukeboy:20161021141234j:plain

ラベルです。オランダ盤のステレオ用のものが使われています。マトリクスはAA 265 1Y-2 670113/AA 265 2Y 2 115 670です。規格番号の下にMADE IN HOLLANDとあります。

f:id:jukeboy:20161021141617j:plain

このアルバムで一番レアなフランス盤です。ジャケットはオランダ盤と全く同じです。ラベルのMADE IN HOLLANDの部分がMADE IN FRANCEとなっています。マトリクスは6454012 LPL 3712 1Y 380 CIDIS/6454012 LPL 3712 2Y 380 CIDISです。ラベルがオランダ盤のデザインなので、フランスでプレスされオランダへ輸出されたものかもしれません。

f:id:jukeboy:20161021141836j:plain

ここでまたドイツ盤に戻ります。ドイツでは75年にNOVAというレーベルからジャケットのデザインを変えて再発されています。規格番号も6.21614と変更になりました。

f:id:jukeboy:20161022211838j:plain

裏ジャケです。ブライアンのカッコいい写真が使われています。右下にNOVA Records By Special Arrangement With DECCA Records, U.K.とクレジットがあります。 

f:id:jukeboy:20161022211854j:plain

このNOVAのレコードは他のタイトルも含め75年3月から76年4月まで生産されましたが、それ以降はDECCAに戻り、このレコードも同じ規格番号でDECCAから再発されています。ジャケットの表と裏はNOVAと全く同じデザインです。表側左下のロゴの部分です。

f:id:jukeboy:20161022212200j:plain

NOVAのラベルです。上部に大きくNOVAのロゴがあり、左側にDECCAのロゴがあります。下部にAN ORIGINAL DECCA RECORDINGとあります。マトリクスはドイツのオリジナル盤と全く同じです。B面のステレオのクレジットはElectronic STEREOとなっています。

f:id:jukeboy:20161022212711j:plain

DECCAに戻ってからのラベルです。これが最終プレスになります。規格番号は6.21614で、B面のステレオのクレジットはElectronic STEREOと最後まで変わりませんでした。マトリクスはドイツのオリジナル盤と同じです。76年4月以降のプレスかと思います。

f:id:jukeboy:20161022213149j:plain

とにかくどうやって曲目を決めたのか分かりませんが選曲が面白いアルバムですね!通して聞くと64年から67年のたった3年間でストーンズサウンドが変わったことがよくわかります。B面のクレジットが最後まで疑似ステ表示というのもドイツらしいです。ドイツでは60年~70年代編集盤が多数発売されましたが、同じタイトルでもラベル違いが多数存在します。また、このレコードはドイツの周辺の国でも同じ内容で発売されているので面白いですね!

ローリング・ストーンズ UK盤EP5×5レアな全曲リアル・ステレオ盤!!

UKの2枚目のEP『5×5』です。このレコードは通常モノラルですが、プレスの時期によって全曲リアル・ステレオのレコードが存在します。私は97年にマニアの方からこのリアル・ステレオ盤があるらしい、と聞いて探し始めました。しかし情報が全くなく半ば諦めていましたが2012年に日本で一番有名なストーンズの掲示板に投稿したところすぐに持っている方から情報を頂きました。それから4年、今年の始めにeBayでやっと入手出来ました。入手出来たのはマニアの皆さんのおかげです。ありがとうございました!しかし19年は長かった~!ステレオのマスターが使われたレコードは70年代後半から80年にかけてプレスされたものです。

f:id:jukeboy:20161018204447j:plain

ジャケットは通常のものと同じデザインです。

f:id:jukeboy:20161018204747j:plain

印刷所は70年代後半からのPineburn Pressになります。(60年代~70年代前半はMacNeil Pressです。)Pineburn Pressでも後期のボックスト・デッカや80年代のソリッド・センターのものが入っている時があるので注意です。相変わらずMike Jaggerとミスってます。

f:id:jukeboy:20161018205227j:plain

ジャケットは表側も裏側もMONO表示です。

f:id:jukeboy:20161018205504j:plain

余談ですが、MacNeil Pressの方は70年代前半からフリップバックではなくなっていますがこのPineburn Pressではフリップバックが復活しています。

f:id:jukeboy:20161018205519j:plain

ラベルです。70年代後半から80年にかけて出回った中央がプラスティックになっているものです。写真が明るくなってしまいましたが実際はきれいな青です。マトリクスはDFE8590 A//2∇ED/DFE8590 B2//∇EDです。出回った期間が短かったせいかUK盤EPの3タイトルともこの時期のプレスは入手が難しいです。

f:id:jukeboy:20161018205730j:plain

B面のラベルです。

f:id:jukeboy:20161018205751j:plain

ラベルもMONO表示です。規格番号がDEF 8590とミスっています。また別の機会に触れますが『THE ROLLING STONES』と『GOT LIVE』のこのラベルもDEFとミスっています。

f:id:jukeboy:20161018205858j:plain

現行のCDでは5曲全部がリアル・ステレオ化されていますが、それより何年も前にステレオで出ていたとは驚きです!このラベルの次の80年代のソリッド・センターのラベルでは再びモノラルに戻ってしまうので何故この時だけステレオだったのか不明ですが、70年代中期のUK盤では他のレコードでもリアル・ステレオに入れ替わっている曲があるので要注意です。また「Confessin' The Blues」が収録された日本盤の『チャック・ベリーを唄う』が発売されたのが83年6月25日ですのでそれよりも前にこのEPでステレオ化されていた事になります。アメリカではこの5曲は『12×5』に収録され、ステレオ盤も出ていますがUSA盤のアルバムは疑似ステです。このEPはカヴァー、オリジナルともに全曲素晴らしい演奏で私のお気に入りのレコードです。『5×5』の60年代~80年代のジャケットとラベルの変化についてはまたの機会に紹介します。