ローリング・ストーンズ アナログ盤蒐集生活!

ただひたすらにローリング・ストーンズのレコードを紹介しているブログです。

ローリング・ストーンズ EMOTIONAL RESCUEからの幻の第3弾シングル??

ローリング・ストーンズのUSA盤のシングルで謎のテスト・プレス盤があります。アメリカのSpecialty Records Corporationというところでプレスされたテスト盤ですが、ストーンズ関係ではキースの78年のシングル「Run Rudolph Run」から81年の「Start Me Up」まで確認しました。(それ以外もあるかも知れません。)その中に1枚正規で発売されていないシングルのテスト・プレスがあります。「Dance Pt.1/Dance Pt. 2」で規格番号は21002となっています。規格番号から考えてこれはアメリカでアルバム『EMOTIONAL RESCUE』から「Emotional Rescue」「She's So Cold」に続く第3弾シングルとしてこのカップリングで発売される予定だったのではないでしょうか?Specialty Records Corporationはアメリカのペンシルバニア州にあるレコード工場です。このラベルはそのレコード工場のテスト・プレス用のラベルになります。

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上のラベルはタイトルが「Dance Pt.1」、アーティストはRolling Stonesとペンで書かれています。マトリクスはST RS 38678-1/ST RS 39278-1 RSです。両面にSTERLINGの刻印があります。ラベルにはマトの他に規格番号の21002が書かれていますが当時のストーンズのUSA盤シングルを順番に規格番号を見てみると、

RS-20001 Emotional Rescue/Down In The Hole (1980.6.20)

RS-21001 She's So Cold/Send It To Me (1980.9.19)

RS-21003 Start Me Up/No Use In Crying (1981.8.14)

RS-21004 Waiting On A Friend/Little T&A (1981.12.1)

と21002が抜けています。またアメリカではストーンズ・レーベルになってからイギリスよりも1枚多くシングル・カットする習慣がありこの時にも第3弾シングルとして発売する予定だったのではと思います。このテスト盤にはプレスした日付がありNOV. 18. 1980とありますので発売日は8月の「She's So Cold」に続き「Dance」が11月か12月に発売される予定だったと考えられます。B面のラベルです。

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これはそのひとつ前の「She's So Cold」のテスト・プレスです。同じようにペンで書かれています。プレスされたのは発売前の1980年8月29日となっています。

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「Dance Pt.2」を収録した『SUCKING IN THE SEVENTIES』は1981年3月12日に発売されたので、この曲を目玉にするためにシングルの発売を見送ったかもしれませんね。なお、プロモ12インチで81年12月1日に「If I Was A Dancer (Dnace Pt.2)/Dance (Instrumental)」(規格番号:RSR DMD 253)が作られています。これは『SUCKING IN THE SEVENTIES』で登場後ですが、B面にはこのプロモでしか聞けないインスト・ヴァージョンが収録されています。話がずれてしまいましたがアメリカでの各アルバムからのシングルの発売を見てみるとB 面には「Sway」「All Down The Line」のシングル・ミックスや「Everyting’s Turning To Gold」など当時の初登場曲が収録されているので、そのもしこのシングルが実現していれば「Dance Pt.2」が初登場となってアメリカだけの特別なシングルになったかもしれませんね。またこの頃のアメリカ盤のシングルは「Beast Of Burden」や「Shattered」など独自のデザインが多いのでどんなジャケットになっただろうかと考えてみても面白いですね! 

カテゴリーを変更しました。

こんにちは。皆様のおかげでこのブログも無事1年が経ちました。ありがとうございます!ブログを始めた当初はローリング・ストーンズ以外にスモール・フェイセス、フー、ビートルズなどのイギリス勢やブルース、日本のグループ・サウンズなども取り上げようと思っていたのでカテゴリーをただ単に「ローリング・ストーンズ」としていましたが、ストーンズのレコードを紹介するブログに路線変更しましたのでカテゴリーを変更しました。

ストーンズのイギリス盤の記事→ストーンズ・UK盤

ストーンズアメリカ盤の記事→ストーンズ・USA盤

ストーンズのドイツ盤の記事→ストーンズ・ドイツ盤

ストーンズの日本盤の記事→ストーンズ・日本盤

Diffカヴァーなど複数の国を取り上げたとき→ストーンズ・各国盤

などと変更になっています。今後はストーンズのヨーロッパ各国、南米や日本盤なども取り上げる予定ですのでよろしくお願いいたします。

 

 

ローリング・ストーンズ USA盤シングルHEART OF STONEいろいろ!!

ローリング・ストーンズのアメリカでの5枚目のシングル『Heart Of Stone/What A Shame」です。1964年12月18日に発売され、規格番号は45‐9725です。翌年2月発売のアルバム『NOW』にも2曲とも収録されています。ピクチャー・スリーヴは『OUT OF OUR HEADS』に使われた写真と同じ時に撮られたものだと思いますが、この写真をキースが気に入らなくて回収されたとの説があります。そのためこのシングルのピクチャー・スリーヴは滅多に見かけることが無く今でも500ドル~で取引されています。私は89年に大阪で入手しましたが、それまでこのシングルのジャケットを見た事がなかったので最初どこの国のシングルだか分りませんでした。ジャケットです。右上に規格番号とLONDONのロゴ、グループ名と曲名があります。左下にProduced by Andrew Loog Oldham for Impact Soundのクレジットがあります。

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裏ジャケです。上部にレコードの取り出しの切り込みがある以外は同じデザインです。

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ラベルです。最初はオレンジ・スワルのプロモ盤からです。規格番号は45 LON 9725Vです。左下にPROMOTIONAL COPYがあります。マトリクスは手書きでDR 34777-1B/DR 34773-1Aです。なお、このシングルのマトはこれ以降80年代まで全て手書きです。また、作者のクレジットがAB面ともこれ以降全部Richard;Jaggerとなっています。

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上のラベルとほぼ同じデザインですが、規格番号から末尾のVがなくなっています。マトリクスはDR 34777-1C/DR 34773-1Dです。

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文字の配置が変わり左上にPromotional Copy、右側にNot For Saleがあります。Made in USAも右上に移動しています。規格番号の文字が大きくなっています。マトリクスはDR 34777-1E △55395/DR 34773-1E △55394です。

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ここからレギュラー盤です。65年以前のパープル/ホワイト・ラベルです。規格番号が45で改行されています。マトリクスはDR 34777-1D/DR 34773-1Cです。

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タイトルがHEARTで改行され二列になっています。規格番号は横一列になっています。このラベルだけプロデューサー・クレジットが規格番号の下にあります。マトリクスは3番目のプロモと同じDR 34777-1E △55395/DR 34773-1E △55394です。

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タイトルがHEARTで改行され、規格番号も45で改行されています。マトリクスはDR 34777-1H  A1/DR 34773-1H  A1です。

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ここからブルー・スワルです。これは65年中頃に短期間だけ発売されたホワイト・ロンドンと呼ばれるラベルです。通常は黒いLONDONのロゴが白抜き文字になっています。これは「Heart Of Stone」「The Last Time」「Satisfaction」の3タイトルにしか存在しないと思います。マトリクスはDR 34777-1A/DR 34773-1Fです。

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65年中頃からの普通のブルー・スワルです。LONDONのロゴの下にDistrbuted By London Records, Inc.のクレジットがあります。Made in U.S.A.が規格番号の上に移動しています。マトリクスは3番目のプロモと同じDR 34777-1E △55395/DR 34773-1E △55394です。

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上のラベルのあったDistrbuted By~のクレジットがなくなり、全体に文字が大きくなっています。マトリクスはDR 34777-1/DR 34773-1と枝番の末尾のアルファベットがありません。

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上のラベルと文字のサイズは同じですが規格番号が5N 9725となっています。5Nの番号は75年から78年にかけて発売されています。マトリクスは上と同じでDR 34777-1/DR 34773-1と枝番の末尾のアルファベットがありません。

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78年からのサンセット・ラベルです。文字の配置はブルー・スワルの最後のラベルと全く同じです。マトリクスはDR 34777-1  TR  SR979/DR 34773-1です。A面のTRはまるで囲まれています。

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イギリスでは「Heart Of Stone」は『OUT OF OUR HEADS』に、「What A Shame」は『No.2』に収録されシングルカットはありませんでしたが、アメリカでは初の両面オリジナル曲でのシングルとなりました。シングルとしては2曲とも渋い曲ですが、A面はR&Bを、B面はブルースを下敷きにしたJagger;Richardの最初期の作品です。「Heart Of Stone」ではおそらくブライアンによる低音の引きずるようなスライドと、キースのギターソロが素晴らしいです。ミックのソウルフルな歌い方や、後半スネアでアクセントをつけるチャーリーの演奏もいいです。「What A Shame」も2人のギターのコンビネーションがいい感じを出しています。この段階ではまだまだR&Bやブルースのパクリの域ですが、この後「The Last Time」「Satisfaction」でグッと成長しいよいよ全米制覇間近ですね!