ローリング・ストーンズ アナログ盤蒐集生活!

ただひたすらにローリング・ストーンズのレコードを紹介しているブログです。

ローリング・ストーンズ UK盤 EXILE ON MAIN STREET①WEAオリジナル盤!!  

ローリング・ストーンズのUK盤『EXILE ON MAIN STREET』です。ストーンズ初のスタジオ2枚組で説明不要の名盤ですよね!今回はKINNEY/WARNER RECORDSからのオリジナル盤を取り上げます。1972年5月12日に発売され、規格番号はCOC 69100です。プロデューサーはジミー・ミラー、エンジニアはグリン・ジョンズです。ジャケットは見開きの内側のポケットからレコードを取り出すという特殊な仕様です。レコード2枚にそれぞれの専用インナーが付けられ、12枚のポストカードが付いているという豪華なレコードです。ジャケットのデザインはスイスの写真家ロバート・フランクによるものでメンバーの写真は8ミリフィルムで撮った映像から写真を起こしたようです。ストーンズってただウロウロしているところを撮っただけで絵になりますもんね!UK盤は他国と比べて古紙のようなやや黄ばんだ色合いでレトロな雰囲気があります。USA盤などは白地に印刷してあるので、これは絶対UK盤の方がいい感じです!タイトル、グループ名はえんじ色です。

f:id:jukeboy:20180628215600j:plain

裏ジャケです。この頃のストーンズってホントにカッコイイですね!また、この裏ジャケ左上に「2XLP3」という青いシールが貼られているのもありますが、それは何を意味しているのかは不明です。また、いつ頃貼られていたのかも分かりません。

f:id:jukeboy:20180628215644j:plain

右下にベロのマークがあります。赤ではなくえんじ色っていうのが雰囲気あっていいですよね~。

f:id:jukeboy:20180630134201j:plain

ジャケットの制作はShorewood Packaging Co. Ltd.という印刷会社です。この会社は60年代からレコードのジャケットなどを制作、印刷する会社で本社はアメリカにあるらしいです。

f:id:jukeboy:20180629211136j:plain

見開きの内側です。右側にレコードが収納されており中央から引き出すようになっています。

f:id:jukeboy:20180630123700j:plain

他国でも付けられましたが12枚綴りのポストカードが付いています。この写真を撮ったのはノーマン・シーフで、撮影日にビルが欠席したので代理の人をメンバーの横に並ばせ、後でビルの顔に差し替えたようです。そういえばこの時の写真が使われた日本盤の『DISCOVER STONES』で知らない人がジャケットに写ってますね(笑)。このセッションの時キースはべろんべろんに酔っぱらって来たそうです。UK盤はUSA盤と比べて一回り小さいです。The Rolling stonesの文字の色も黒で、UK盤の方は全体に暗くこのアルバムらしい雰囲気が出ています。左側がUK盤、右側がUSA盤です。日本盤はUSA盤と同じ仕様です。なお、UK盤の初期の一部にアメリカ盤のような赤い文字のポストカードが付いていたという情報もありますが未確認です。

f:id:jukeboy:20180630123918j:plain

ポストカード12枚を広げた写真です。

f:id:jukeboy:20180630134244j:plain

ポストカードの裏側です。左上に一枚ずつ物語のような文が書かれています。

f:id:jukeboy:20180630135032j:plain

1枚目のインナーです。UK盤のレコードは更にこの中に白のレコード袋に入れられています。こちらもロバート・フランクの本からの作品が使われています。曲名が「Shake Your Hips」が「Hip Shake」に、「Sweet Black Angel」が「Black Angel」となっています。ビルによるとこれを書いたのはミックで、担当楽器での間違いが多くビルが担当したベースの曲ももっと多いそうです。たとえば「Shake Your Hips」ではスチュがピアノとありますが、ピアノの音が聞こえなかったり、「All Down The Line」はアップタイト・ベースではなくこの音はエレキ・ベースでは?とかなり間違っているのではと思います。デラックス・エディションでは曲ごとのクレジットで複数の名前が追加されますます混乱した状態になっています。まあ、キースの家の地下室で録音された結果、おそらくその場にいたメンバーでどんどん録音されていったので実際の演奏メンバーが誰だか分らなくなっているのが現状だと思います。

f:id:jukeboy:20180629211801j:plain

下部にキニ―・グループとジャケットを作ったShorewood Packaging Co. Ltd.ENGLANDのクレジットがあります。

f:id:jukeboy:20180629211937j:plain

1枚目のインナーの裏側です。

f:id:jukeboy:20180629212107j:plain

2枚目のインナーです。「I Just Want To See His Face」が「Just Wanna See His Face」となっています。

f:id:jukeboy:20180629212446j:plain

1枚目同様下部にキニ―・グループとジャケット制作会社のクレジットがあります。

f:id:jukeboy:20180629212636j:plain

2枚目のインナーの裏側です。 

f:id:jukeboy:20180630134413j:plain

また、このアルバムは普通にラックにしまうと背のタイトル部分が裏側へ隠れてしまいます。表側を開いた時のデザインを損なわないためこういう特殊な作りになったのかも知れませんね。グループ名とタイトルの部分です。

f:id:jukeboy:20180630141736j:plain

その下にROLLING STONES RECORDSとCOC 69100があります。

f:id:jukeboy:20180630141833j:plain

ラベルです。ストーンズ・レーベル専用のイエロー・ラベルです。上部にジャケットにあった文字と同じ筆跡のグループ名とタイトルがあります。右側にCOC 69100、下に曲名があります。曲名の上に小さくSIDE ONEとあります。MADE IN ENGLANDのクレジットはどこにもありません。マトリクスは機械打ちでCOC 69100 A1/COC 69100 B1/COC 69100 C1/COC 69100 D1と全部の面の枝番が1のものが初回盤です。その他に全部の面に手書きでROLLING STONES RECORDSと、ST-RS-722507/ST-RS-722508/ST-RS-722509/ST-RS-722510があります。このST-RSで始まる番号はUSA盤のマトと同じですが、こちらはそのUSA盤から枝番がありません。何故USA盤のマトが書かれているのか不明です。マトはその他に枝番が2のものがあります。例えばC面だけ2で他の面は1だったり、A面以外全部2だったりいろいろな組み合わせのものを確認しました。

f:id:jukeboy:20180630142542j:plain

B面のラベルです。

f:id:jukeboy:20180630205843j:plain

C面のラベルです。

f:id:jukeboy:20180630205905j:plain

D面のラベルです。某店の説明文でマトがD1では「Soul Surviver」の最後でブチッと終わると書かれていたので、私の持っているレコードを確認したらやはりフェイドアウトが消えた瞬間ブチッと音が入りました。これは単なるプレス・ミスではないかと思います。マトがD2のものはフェイドアウトした後も無音です。

f:id:jukeboy:20180630205926j:plain

キースの家の地下室でのセッションがすぐ目の前で行われているかのような空気感が伝わってくるようなアルバムですよね。曲調もバラエティに富んでいて「STICKY FINGERS」をさらに南部へ移動させたような感じです。延々とセッションしていたせいかルーズな感じの曲が多いですが、今聞けばこれが一番ストーンズらしいですよね!私は当時、ラジオで新曲だった「Tumbling Dice」を聞き、なんて聞きづらい曲なんだ、と思いこの曲の良さが分からず、その次のシングル「Happy」もキースが歌っているなんて知らず、アルバムは2枚組で値段も高かったせいもあり買うのを見送っていて、やっと買ったのは3年後の75年になってからでした。当時は評判も悪かったですが、75年に買って聞きこむ毎にこのアルバムのルーズな演奏のとりこになっていきました。UK盤は各楽器がはっきり聞こえバランスの良いまろやかないい音です。アメリカ盤は分厚い音ですがこれよりもラフな感じです。日本盤は高音だけがシャリシャリ目立ってしまいこれより確実に音質は落ちます。(あくまで個人の感想です。)UK盤を大音量で聞くと最高ですね!ストーンズの大傑作、次回はUK盤のEMI以降を紹介します。

ローリング・ストーンズ USA盤シングル LET'S SPEND THE NIGHT TOGETHER いろいろ!!

ローリング・ストーンズアメリカでの14枚目のシングル「Let's Spend The Night Together/Ruby Tuesday」です。1967年1月13日(14日説もあり)に発売され、規格番号は45-904です。アメリカでは翌2月11日に発売された『BETWEEN THE BUTTONES』にはこのシングルの2曲が収録されています。アメリカでは「Let's Spend The Night Together」の歌詞が問題になりビルボードでは55位、B面の「Ruby Tuesday」の方がラジオでよくオン・エアされ1位という記録が残っています。ジャケットは『BETWEEN THE BUTTONES』と同じジェレド・マンコウィッツによる写真が使われています。両A面を意識したのか2曲共ジャケットにクレジットされています。

f:id:jukeboy:20180501195454j:plain

裏ジャケはレコードの取り出しの切り込みがある以外は表側と全く同じデザインです。Printed in U.S.A.はありません。

f:id:jukeboy:20180501195608j:plain

ラベルです。最初はオレンジ・スワルのプロモ盤です。規格番号は45 LON 904表示です。左側にPROMOTIONAL COPYがあります。規格番号の下にエンジニアのグリン・ジョンズのクレジットがあります。グループ名の下にプロデューサー・クレジットとMade in U.S.A.があります。マトリクスは手書きでDR 39595-1F/DR 39696-1Fです。

f:id:jukeboy:20180501200114j:plain

右側に45-904とPROMOTIONAL NOT FOR SALEがあります。Made in U.S.A.が規格番号の上に移動しています。LONDONのロゴの下にDistoributed By London Records, Inc.があります。マトリクスは手書きでDR 39595-1L  △64869/DR 39696-1L  △64869-Xです。この他に1M/-1Lを確認しました。

f:id:jukeboy:20180501200500j:plain

ここからレギュラー盤のブルー・スワルです。一番最初のプロモと文字の配置が同じです。マトリクスは手書きでDR 39595-1A/DR 39696-1Cです。これ以降全部のラベルが手書きです。

f:id:jukeboy:20180501201030j:plain

右側に45-904があります。全体に文字が小さいです。左側のマトリクス表示の前にBWがあります。これはプレス工場コードでニュー・ジャージー州のBestway Products,Inc.のことです。Made in U.S.A.はありません。マトリクスはDR 39595-BW1/DR 39696-BW1です。他にBW4/BW2を確認しました。

f:id:jukeboy:20180501201607j:plain

右側に45-904、時間表記とプロデューサー・クレジットがその下へ移動しています。マトリクスはDR 39595-X/DR 39696です。両面BW6を消してあります。ラベルにはBWのクレジットがありませんが、これのレコードも上と同じBestway Products,Inc.でプレスされたと思います。

f:id:jukeboy:20180501202048j:plain

これはUSAロンドン盤の中でも「Let's Spend The Night Together」のシングルだけに見られる特殊なラベルです。規格番号は45がなく904だけしかありません!マトと時間表記が右側に、そしてなんとグループ名が左側へ移動しています。グループ名がこの位置にあるのは珍しいです!プロデューサー・クレジット、出版社クレジットも移動していて各クレジットがいつもの場所になくブルー・スワルの中で一番レアなラベルではないでしょうか。マトリクスはDR 39595-1K/DR 39696-1Jです。

f:id:jukeboy:20180501202557j:plain

右側に45-904とその上にMade In U.S.A.があります。LONDONのロゴの下にDistributed by London Records, Inc.があります。グループ名の下にプロデューサー・クレジット、エンジニア・クレジットがあります。文字の配置は2番目のプロモと同じです。マトリクスはDR 39595-1L △64869/DR 39696-1M △64869-Xです。マトリクスは2番目のプロモのマトと同じですが末尾のアルファベットだけが異なっているので、おそらくマト違いが数種存在するのでは?と思います。

f:id:jukeboy:20180501203330j:plain

75年以降の規格番号が5Nで始まるラベルです。右側に5N-904、その上にMade in U.S.A.があります。マトリクスは上と同じDR 39595-1L △64869/DR 39696-1M △64869-Xです。

f:id:jukeboy:20180501203915j:plain

上と比べると5N-904の文字が大きくなっています。Made in U.S.A.が下へ移動しています。マトリクスはT  XDR-39595-X1/T  XDR-39596-X1です。ここまでAB面共モノラルです。

f:id:jukeboy:20180501204245j:plain

78年からのサンセット・ラベルです。マトリクスはT  XDR-39595-X1/DR-39596-B-1です。これ以降は両面共モノラルからステレオへ切り替わります。

f:id:jukeboy:20180501204550j:plain

サンセット・ラベルで、上よりも規格番号やタイトルが小さな文字となっています。プロデューサー・クレジットや、マトリクスが規格番号の下へ移動しています。マトリクスは5N-904-B/5N-904-Aでなんとここでは「Ruby Tuesday」側のマトがA面となっています!この再発の時点で、昔ビルボードで1位になった曲だしA面にするか、なんていう感じでしょうか?また、マトを見てラベルを貼ったのかラベルが「Ruby Tuesday」側に「Let's Spend The~」のラベルが貼ってあったりと間違えてAB面逆のラベルのレコードもあります!

f:id:jukeboy:20180501204920j:plain

80年代からの白ラベルです。規格番号の下のマトリクスの末尾に19がある80年代初頭のラベルです。マトリクスは上と同じ5N-904-B/5N-904-Aとこちらも「Ruby Tuesday」側がA面となっています。

f:id:jukeboy:20180501214326j:plain

86年プレスの白ラベルです。規格番号が45-904と75年以前の番号に戻っています。エンジニアのクレジットが右側へ移動しています。時間表記の下に49と不明の番号があります。マトリクスは5N-904  XDR-39595-A1  MASTERED BY TRUTONE-Pa  4-86/5N-904-XDR-39596-B  MASTERED BY TRUTONE-Pa 4-86です。4-86は86年4月の事だと思います。おそらくこれが最終プレスです。

f:id:jukeboy:20180501215018j:plain

A面は歌詞はともかくストーンズにしてはコーラスが珍しいですね。一説にはコーラスはミック、キースの他にブライアンも参加しているとのことです。また、ピアノを中心に曲が進んでいくというサウンドも珍しいです。B面はブライアンがリコーダーを吹いています。コントラバスはビルが弦を押さえ、キースが弓で弾いているそうです。ミックの歌い方も素晴らしく、その後の『BETWEEN THE BUTTONS』『サタニック』へと続く新しいサウンドを目指していたのがよく分かります。「Let's Spend The Night Together」は最近のツアーでもよく演奏されているライヴの定番曲ですし、「Ruby Tuesday」は初来日を思い出しますね。そして今日はブライアンの49回目の命日。「Ruby Tuesday」を聞くとエド・サリバン・ショーでリコーダーを吹いていたブライアンを思い出します。2曲共名曲で素晴らしいシングルです!

ローリング・ストーンズ スイス・クラブ・エディション⑦ PAINT IT BLACK 以降!!

前回に引き続きスイスクラブ・エディションのシングル盤です。今回は「Paint It Black/Long Long While」です。65年に発売された「The Last Time」から「As Tears Go By」まではスイス独自のピクチャースリーヴが付いていましたが、この「Paint It Black」以降はドイツ盤に販売元のEx Librisの丸いシールが貼られただけになってしまいます。規格番号は20050で、ドイツ盤と同じ1966年6月に発売されました。

f:id:jukeboy:20180609221348j:plain

シールの部分です。ドイツ盤の番号DL 25240の上に貼られています。20050とスイス独自の番号が付いています。

f:id:jukeboy:20180612201954j:plain

裏側には3.90と書かれたシールが貼ってあります。このシールは今まで紹介したシングルにも貼られていましたが、これは3.90スイス・フランを意味してると思います。現在のレートは1スイス・フラン=111円なので約432円でしょうか。当然50年前なのでそれよりももっと安く売られていたと思います。

f:id:jukeboy:20180612202230j:plain

ラベルです。ドイツ盤のシングルがそのまま使われています。この「Paint It Black」はラウンド・デッカからボックスト・デッカに変わった時でラウンド・デッカのラベルも存在しますが、私のはボックスト・デッカが入っていました。マトリクスは機械打ちで45-XDR-38032-Ⅲ X/45-XDR-38068-Ⅱ Xです。何故かMunufactured in Germanyはありません。という事は番号はドイツでもプレスはスイスなのかもしれません!ドイツ盤には45-XDR-38032-Ⅰ X U/45-XDR-38068-X Uなどのもっと若いマトがあり、Munufactured in Germanyの刻印があります。 

f:id:jukeboy:20180612202409j:plain

B面のラベルです。

f:id:jukeboy:20180612202433j:plain

「Paint It Black」以降で判明しているのは次の2枚です。これらもドイツ盤のピクチャースリーヴに上と同じ丸いクラブ・エディションのシールが貼られ、中のレコードはドイツ盤が入っています。

1966年8月   20052 Mother's Little Helper/Lady Jane

1967年2月 20074 Let's Spend The Night Together/Ruby Tuesday

また、上の3枚のレコードに貼られていた丸いステッカーとは全く別のステッカーが貼られているレコードがあります。これは今のところ「Paint It Black」だけでしか確認できていません。

f:id:jukeboy:20180620091611j:plain

ステッカーの部分です。CLUB EDITION EX LIBRISだけで丸いステッカーにあったようなスイス独自の番号はありません。中のレコードのラベルがドイツのラウンド・デッカのラベルなので、もしかしたらこちらが初期型のステッカーなのかも知れませんね。

f:id:jukeboy:20180620091645j:plain

ラベルです。ドイツのラウンド・デッカのラベルが使われています。イギリスでもこの「Paint It Black」の途中からカーヴド・デッカからボックスト・デッカに変わったようにドイツでも最初はラウンド・デッカで、この「Paint It Black」の途中からボックスト・デッカに変わっています。それを考えるとこの四角いClub Editionのステッカーの方が最初で丸いステッカーへ変わる過渡期のものだったんでしょうか?マトリクスもこちらの方が45-XDR-38032-X U/45-XDR-38032-X Uと上のレコードよりも若いです。こちらはドイツ盤同様Munufacturerd in Germanyがあります。

f:id:jukeboy:20180625211320j:plain

今まで何枚かスイスのクラブ・エディションのシングル盤を紹介してきましたが資料によるとスイスで制作、発売されていたシングルは65年4月の「The Last Time」から66年3月の「19th Nervous Breakdown/As tears Go By」までだそうです。それ以降はドイツ盤のピクチャースリーヴに今回紹介したようなシールを貼って売っていたようです。「The Last Time」以前はどのようにして売られていたのか不明です。また、「Let's Spend~」以降もどの資料にもありません。まだまだ謎が多いスイスのクラブ・エディション盤ですが今後も新たな情報がありましたら追記します!