ローリング・ストーンズ アナログ盤蒐集生活!

ただひたすらにローリング・ストーンズのレコードを紹介しているブログです。

ローリング・ストーンズ UK盤プロモ・シングル ALL DOWN THE LINE/ROCKS OFF!!

ローリング・ストーンズの72年の名盤『EXILE ON MAIN STREET』からはイギリス国内で2枚のプロモ・シングルが作られています。イギリスではこのアルバムからのシングルは「Tumbling Dice」しかなかったのでこういうプロモ・シングルが作られたのかも知れません。最初は「All Down The Line/Rocks Off」です。このカップリングでのレギュラー盤は発売されておらず、プロモのみプレスされたレコードとなります。1972年5月に作られ、ローリング・ストーンズ・レーベルのイエロー・ラベルに曲目が書かれた紙が貼られています。規格番号はSAM 3で、レコードはベロのスリーヴに入っています。

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ラベルです。上部にExcerpt from "Exile on Main Street"、FOR RADIO PLAY ONLYなどと書かれた印が押されています。曲名の部分は黄色い紙に印刷されたものが貼られた簡易的なものです。曲名とグループ名の下に規格番号のSAM 3とあります。私の持っているレコードは黄色い紙が貼られていますが、写真で白い紙が黄色いラベルに貼られているものも見た事があります。マトリクスは機械打ちでSAM 3 A1/SAM 3 B1です。他に手書きでROLLING STONES RECORDSとあります。マトリクスから「All Down The Line」をA面と判断しました。モノラルで収録されており、USA盤シングルのモノラル・ヴァージョンとは違いこちらはLPヴァージョンをそのままモノラルにしたものです。ステレオよりも硬い音でヴォーカルとコーラスが目立ちます。このモノラル・ミックスはここでしか聞けません。  

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B面のラベルです。こちらもモノラルで収録されています。やはりヴォーカルが目立ち、ホーンが気のせいかやや小さめのような気がします。このモノラル・ミックスもこのシングルでしか聞けません。

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ラベル上部の部分です。ハンコっていうのがプロモっぽくていいですね!

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EXILE ON MAIN STREET』からはこれと「Happy/Shane A Light」のプロモ・シングルが作られましたが、この2枚のシングルは89年にGOLDWAXで読むまで知りませんでした。GOLDWAXでも入手不可能だと書かれていて、写真も載ってなくどんなレコードなのか分かりませんでした。90年代後半に以前も書いた西新宿にあったDの輸入代行サービスの細かいリストでこの2枚を発見し、早速FAXを送り2ケ月後に入手しました。入手して初めて見た時にラベルに簡易的な紙で曲目が貼られ、内容もモノラルなので驚いたのを覚えています。また、入手不可能と言われていても長い間探していたら必ず巡り合えるという事を実感したレコードでした。次回はもう一枚のプロモ「Happy/Shane A Light」を紹介します。

ローリング・ストーンズ UK盤シングル TUMBLING DICE いろいろ!!  

ローリング・ストーンズのUK盤シングル「Tumbling Dice/Sweet Black Angel」です。イギリスではアルバム『EXILE ON MAIN STREET』の先行シングルとして1972年4月14日に発売されました。規格番号はRS 19103です。発売から現在までライヴでは欠かせない重要曲です。レコードはストーンズ・レーベル専用のベロのカンパニー・スリーヴに入っています。USA盤はA面だけモノラルでしたが、UK盤は両面ステレオです。このレコードはラベル違いやセンター・ホールの形違いなどいろいろなヴァリエーションがあります。

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ラベルです。ストーンズ・レーベル専用の黄色いラベルで、このシングルでは上部にサイコロの絵が描かれています。面表示はなく、規格番号RS 19103の下にマトリクスの表記があり、その末尾にAと書かれています。こちらはソリッド・センターでラベル左側のMusidor N.V.がないタイプです。このクレジットがないものが初期型と言われています。リムはラベルの上部にあります。マトリクスは機械打ちでRS 19103-A1/RS 19103-B1です。

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こちらはプッシュアウト・センターでラベル左側のMusidor N.V.が無いタイプです。リムはラベルの上部にあります。プッシュ・アウト・センターの方が後という説が定説ですが、ビルのソロ・シングル「Monkey Grip Glue」ではプッシュアウト・センターで大きくAと書かれたプロモが作られ、ソリッド・センターにはレギュラー盤しか無いのでこれはもう少し研究の余地がありそうです。マトリクスは機械打ちでRS 19103-A2/RS 19103-B2です。おそらく-A1/-B1も存在すると思います。

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上の2枚と同じでラベルにはMusider N.V.が無いタイプですが、センター・ホールが大きいタイプです。最初プッシュ・アウト・センターが抜けたものかと思いましたが、それだと4か所跡が残ってしまい、こちらは円周がきれいに丸くカットされているので別物と判断しました。リムはラベルの上部にあります。マトリクスはRS 19103-A2/RS 19103-B2です。

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こちらは73年から77年までのMusidor N.V.のクレジットがあるタイプです。今までラベルの上部にあったリムが下に移動しています。こちらはソリッド・センターとなっています。マトリクスは機械打ちでRS 19103-A1/RS 19103-B1です。

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上と同じ73年から77年までのMusidor N.V.のクレジットがあるタイプです。リムも同じくラベルの下にあります。こちらはプッシュ・アウト・センターとなっています。マトリクスは機械打ちでRS 19103-A1/RS 19103-B1です。

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Musider N.V.があるタイプですが、右側の規格番号の下にSide 1と面表示が加わったラベルです。おそらくこの面表示があるタイプが後期のプレスだと思います。マトリクスは機械打ちでRS 10103-A2/RS-10103-B2です。

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こちらは面表示Side 1が加わったタイプのプッシュ・アウト・センターのものです。マトリクスは機械打ちでRS 10103-A1/RS 10103-B1と-A2/-B2の両方確認しました。

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おそらく上で紹介したラベル全部にそれぞれマトが-A1/-B1と-A2/-B2のもの両方存在すると思います。WEA時代のUK盤シングルは最後の「Fool To Cry」までソリッド・センターとプッシュ・アウト・センターの両方存在しますが、この「Tumbling Dice」はそれ以外にも結構ラベルのマイナーチェンジがありますね!この曲はキースの5弦オープン・チューニングを中心として独特のノリを出していますね!ミックの歌い方も粘っぽく、女性コーラスも効果的に使われています。ギターはソロも含めキースのギターを数種重ねていると思います。ベースはテイラーと言われていますが、サビの部分などではビルと思われるようなフレーズが聞けますがどうなんでしょうか?ドラムは以前チャーリーとジミー・ミラーのツイン・ドラムという説がありましたが、これってどう聞いてもチャーリーだけですよね!B面はアコースティック調の曲でミックとキースのハモリが聞けます。B面も名曲だし、A面は今でもライヴの定番曲で両面共名曲のいいシングルですよね!

ローリング・ストーンズ 日本盤プロモLP 来日記念特別ダイジェスト盤!!

ローリング・ストーンズの日本盤プロモLP『SPECIAL COUPLING SUNGLE DIGEST(来日記念特別ダイジェスト盤)』です。1973年1月の来日公演に合わせて発売された5枚の来日記念シングルのプロモ盤として作られました。ご存知のように結局来日は中止になってしまい、5枚の来日記念シングルは幻の来日記念盤になってしまいましたね。この5枚のシングルは後にスペシャル・カップリング・シリーズと名を変えて発売されています。これってすごい商売根性ですよね(笑)。このプロモは当時の日本での発売元のキングレコードで73年1月に作られ、規格番号はDY-4801~3です。正確な情報か分かりませんが現存数は10枚だけだそうです。確かにあまり見かけないレコードですが…。ジャケットは白黒でハイドパークでのステ―ジ写真が使われています。薄い紙質でペラ・ジャケのような感じです。

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裏ジャケです。フリップバック仕様になっており、いかにもプロモ盤といったデザインです。来日でヤングは過熱!!という昭和的なコピーが付けられています。その下にアルバムのタイトル(?)『来日記念特別ダイジェスト盤』があります。左下に当時キングから出ていたストーンズのレコードの広告、右下に朝日新聞の社会欄に載ったチケットを買うために徹夜している様子の記事があります。

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印刷ミスか「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」の原題が何故か「JUM JUMPIN' J JUMPIN' JACK FLASH」と変なことになっています。

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左下にキングのカタログがあります。当時は日本独自のベスト盤が多いですね。先日紹介した来日記念盤として発売された『BEGGARS BANQUET』も載っています。

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右下に来日公演の日付と72年12月1日付の朝日新聞社会欄の記事があります。もし、来日が実現していたらブートで聞けるホノルルの演奏みたいだったんでしょうね!当時地方では来日中止後に麻薬だ、なんだと話題になった程度で来日前のこの騒ぎは全く知りませんでした。それだけ東京と地方都市では格差があり、情報が全く無かったんですよね!

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下部中央にロンドンレコードのクレジットがあります。

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右下に非売品と、発売元のキングレコードのクレジットがあります。

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ラベルです。キングの白ラベルです。上にローリング・ストーンズ来日記念発売とあります。その下にスペシャル・カップリング・シングル・ダイジェストとあります。各曲名の前に当時来日記念盤として発売されたシングルの規格番号があります。左側に非売品、右側に規格番号のDY-4801~3と、見本品のクレジットがあります。一番下にマトリクスがあります。マトリクスは機械打ちでSDLBT 2426/SDLBT 2427です。

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B面のラベルです。「Lady Jane」は当時日本盤のベスト盤にもよく収録されていますが日本で人気があったんでしょうね!その他は日本でシングルA面になった曲で構成されています。

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当時のキングではオムニバスのプロモLPにストーンズの曲が1~2曲入ってるのは何枚かありましたが、こうしてストーンズの曲だけで1枚のアルバムとして構成されているのは非常に珍しいと思います。内容もプロモ盤という事を除いてもヒット曲ばかりで究極のベスト・アルバムとしても楽しめます。A面1曲目から4曲目まではモノラルで、A面5曲目とB面はステレオです。当時の日本盤としてはメリハリのあるパンチの効いたいい音が聞けます。このレコードを見ていると本当に来日中止が悔やまれます。もし来日が実現して絶頂期ストーンズの『LIVE IN JAPAN 1973』なんていうアルバムが出ていたら、もっとストーンズは日本で知名度が上がったと思います。以前も書きましたが1学年10クラスのマンモス校にいましたがストーンズを聞いてる人は殆どというか、全くいませんでした。当時のこの来日中止の後何年もストーンズ=麻薬というイメージが定着して初めて会ったロック好きの人とストーンズの話をすると「あぁ、あの麻薬の…」と絶対に言われました。そんな懐かしいこともありましたが、このレコードは希少性はともかくジャケットも内容も素晴らしくサイコーのプロモ盤ですよね!