ローリング・ストーンズ アナログ盤蒐集生活!

ただひたすらにローリング・ストーンズのレコードを紹介しているブログです。

ローリング・ストーンズ 謎のUK輸出仕様プロモ・シングル①LITTLE RED ROOSTER!!

ローリング・ストーンズのUK盤プロモ・シングルです。が、DECCAではなくLONDONとなっている謎のレコードです。このタイプのプロモは今までに「little Red Rooster」と「Honky Tonk Women」を発見しましたが、今回は「Little Red Rooster/Off The Hook」を紹介します。ホフマン氏の資料ではこのプロモ盤はアメリカ向けとなっています。確かにそうなんですが、規格番号がF.12014とUK盤の番号となっています。このカップリングではアメリカで発売されていないのでもしかしたらUK盤の規格番号のままなのかもしれませんが、もう一枚のプロモの「Honky Tonk Women」でもUSAの45-909ではなく、F.12952とUK盤の番号のままになっています。これって不思議なレコードですよね!ラベルです。一番上にMADE IN ENGLANDがあり、その下にLONDONのロゴがあります。その下にDEMONSTRATION SAMPLE-NOT FOR SALEとあります。右側に大きくAとあります。UK盤のプロモではこのAは左側にありますね。ラベルの下半分はUK盤のプロモと全く同じです。発売日もイギリスでの発売日になっています。マトリクスは機械打ちでXDRF-34216-T1-1C/XDRF-34215-T1-1Cです。これはUK盤と同じマトです。

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B面のラベルです。

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私がこのレコードを買った時、60年代初期のロンドンのカンパニースリーブに入っていました。これが最初から付いていたとしたら確かにアメリカで使われていたんでしょうね!

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MADE IN ENGLANDでLONDONのロゴがあると初期のモノラル盤のアルバムや、日本向けのレコードを思い出してしまいますが、シングルでしかもプロモは珍しいですよね!64年頃はアメリカへの売り出しに力を入れていたのでこんなシングルが作られたのかも知れません。UK盤の「Little Red Rooster」はプロモの他にテスト・プレスなどいろいろと存在しますが、またの機会にまとめて紹介しようと思います。 

ローリング・ストーンズ 日本盤デビュー・アルバム これがリヴァプール・サウンドの決定盤!!

ローリング・ストーンズの日本でのデビュー・アルバム『ザ・ローリング・ストーンズ』です。1965年(昭和40年)1月に発売され、規格番号はMH-190です。発売元はキングレコードでレーベルはLONDONです。帯と裏ジャケに「これがリヴァプールサウンドの決定盤!!」とキャッチコピーが付けられています。おそらくアメリカ盤の「ENGLAND'S NEWEST HIT MAKERS」というのもこれと同じくキャッチコピーで付けられたんでしょうけど、今ではタイトル扱いになっていますね。そう考えれば日本盤のタイトルも「これがリヴァプールサウンドの決定盤!!」でもいいんじゃないかとはいきませんよね(笑)。当時はリヴァプール出身でなくともイギリス出身のグループはリヴァプールサウンドと呼ばれていました。ジャケットは日本独自に左上に大きくTHE ROLLING STONESと印刷されています。UK盤と比べると写真がややぼやけています。ジャケットは俗に言うペラ・ジャケで両面艶があり、意外と高級感のある感じです。値段は1,500円です。当時の公務員の初任給は19,610円、ラーメンが70円、喫茶店のコーヒーが80円と比べるととんでもなく高く、レコードって相当高級品だったんでしょうね!

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左上のグループ名の部分です。

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右上にLONDONのロゴとその下にMH-190があります。

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裏ジャケです。解説が印刷されており、中心がくぼんだフリップバック仕様になっています。解説は朝妻一郎さんで、グループの結成のいきさつや、メンバー紹介、曲紹介が書かれています。この頃のLPは裏は曲目や解説というのが一般的です。

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上部に「これがリヴァプールサウンドの決定盤!!」とあります。

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右上に規格番号のMH-190と¥1500があります。

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下部中央に発売元のキングレコードのクレジットがあります。

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右下に©1965とJISマークがあります。

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歌詞カードが付属しています。

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歌詞カードの裏側です。

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ラベルです。このアルバムのラベルは初期型と後期型の2種類存在します。こちらは初期型です。おそらく当時のキングのモノラル用のラベルだと思います。「Mona」の曲名は「I Need You Baby」となっています。「Honest I Do」の作者も初期のUK盤同様、ReedではなくHurran, Calvertとなっています。 マトリクスは機械打ちでDLBT 221-9/DLBT 222-1-1-9です。

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B面のラベルです。

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こちらは後期型です。いつ頃このラベルに変わったのか分かりませんが、中央に太いラインが入り『BIG HITS』のラベルのデザインに近いので66年頃に変わったのでは?と思います。マトリクスはDLBT 221 B-2/DLBT 222 B-3です。

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B面のラベルです。

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内容はUK盤と同じですが日本盤の曲順は当時のヒット曲「Tell Me」をA面1曲目に持って来て、「Route 66」はB面3曲目に移動しています。80年代にポリドールへ移籍するまで日本ではこの曲順で私はそれまでずっとこの曲順がホントだと思っていました。この後の『OUT OF OUR HEADS』も当時の日本盤は「Satisfaction」を1曲目に持ってきたりして勝手に曲順を入れ替えたりしていますね!日本盤の帯付きは今や高値で取引されていますが、私がレコードを買い始めた昭和47年頃、帯は「タスキ」と呼ばれていて周りの大抵の人が破り捨てると言っていました。また、付けたままだといつの間にか破れてしまったり、友人に貸すと帯だけどこかへ行ってしまったりしたので私は帯は外して別の場所に保管していました。80年代に入ってから帯のブームが来ましたが、丁寧に取っておいてよかったと思います。帯は日本独自の文化ですが、キャッチ・コピーやデザインが当時の空気感を感じられていいものだと思います。また、ファーストはこの紺帯だけですが『AFTERMATH』の頃になると同じ規格番号でも紺や金などいろいろな帯があって面白いです。いやしかし、このアルバムが発売された昭和40年1月というと私は幼稚園の年中組で駅前から有名なお寺の前までのメインストリートをバスで通っていた頃です。今では信じられないですが牛の荷車を押している人もいました。そんな時代に発売されたストーンズのファースト。この帯にあったリヴァプールサウンドのたくさんのグループの中で今も現役のストーンズってすごいですよね!!

ローリング・ストーンズ 日本盤シングル ノット・フェイド・アウェイ いろいろ!!

ローリング・ストーンズの日本での2枚目のシングル「ノット・フェイド・アウェイ/リトル・バイ・リトル」です。1964年(昭和39年)5月15日に発売され、規格番号はHIT-346です。ジャケットには英語、日本語のタイトルの他に作者の名前も大きくクレジットされています。この作者クレジットが何だかデザインの一部になっていてカッコいいですね!前作の「彼氏になりたい」のジャケットと同じ写真を使っています。

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裏側は当時のレコードの広告が載っています。当時の値段は330円です。

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こちらは66年(昭和41年)以降の裏側です。値段が370円と変更になっています。右下に©1966とあります。広告に「黒くぬれ!」が載っているので66年7月以降に変更になったと思われます。

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見開きの内側です。朝妻春昭さんの解説と歌詞が載っています。キースの名前がケイス・リチャードとなっています。ジャケット同様こちらも作者のクレジットが異常に大きいです。見開きの内側は330円版と370円版共に同じです。

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レコード袋は65年まで使われたピンクのものです。

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ラベルです。昭和40年頃まで使われていた左側にffrrの耳のマークがあるラベルです。このラベルは「彼氏になりたい」とこの「ノット・フェイド・アウェイ」しか存在しません。右側に回転数と規格番号HIT-346があります。マトリクスは機械打ちでDSt 859-2/DSt 860-1-1-1です。両面共JISマークがあります。

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B面のラベルです。

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こちらはLONDONのロゴの上にffrrの耳のマークがあるセカンド・ラベルです。左側に45 R.P.M.と回転数が、右側にHIT-346があります。マトリクスは機械打ちでDSt 859-1/DSt 860-1-1-3です。両面共JISマークがあります。マトリクスは他にDst 859-1/Dst 860-1-1-4とDst 859-3/Dst 860-1-1-2を確認しました。

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B面のラベルです。

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この当時、ストーンズのレコードがどの位売れたのか分かりませんが、このレコードはあまり見かけないですね。「ノット・フェイド・アウェイ」はバディ・ホリーのカヴァーですが、ストーンズが白人の曲をカヴァーするのは珍しいですよね!バディの方は軽めの感じだったのに対して、ボ・ディドリーのリズムを取り入れて重く黒っぽいサウンドに仕上げたのはさすがだと思います。アメリカではこれがデビュー曲でしたね。B面の「リトル・バイ・リトル」はストーンズフィル・スペクターの共作ですが、オリジナルというよりジミー・リードの曲を演奏していたらこんなのが出来ちゃったよ、という感じですね(笑)。前回の「彼氏になりたい」の時にも同じことを書きましたが、昭和39年の日本でこのレコードを買った人のセンスってすごくいいですよね~!