ローリング・ストーンズ アナログ盤蒐集生活!

ただひたすらにローリング・ストーンズのレコードを紹介しているブログです。

ローリング・ストーンズ ドイツ盤ファースト①オリジナル・カヴァー いろいろ!!

ローリング・ストーンズのドイツ盤ファーストです。ドイツでは1964年7月に発売され、規格番号はBLK 16300-Pです。ドイツ盤もジャケットやラベル、そして規格番号等が年代によって変遷して行きますので順を追って紹介したいと思います。「Tell Me」は最初から後期プレスまで全て3:44のきれいにフェイドアウトしていくヴァージョンが収録されています。ジャケットはUK盤のように表側にはタイトル、グループ名がなくDECCAのロゴがあるだけです。初期型は上質な柔らかい紙で作られていて、写真も鮮明です。また、途中で変わったと思いますがこのBLK規格でも普通の紙質で両面コーティングのジャケットも存在します。UK盤では左上にMONOと規格番号がありましたがドイツ盤は空白になっています。

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裏ジャケです。UK盤にあった解説がなく、上部は曲目で占めています。メンバーの写真はUK盤と同じです。余白が多くシンプルなデザインです。

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曲目の部分です。「I Need You Baby」は「Mana」表記です。その下のスチュのピアノなどのクレジットは各国と同じです。 

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インナーです。ドイツ盤のモノラル専用のインナーでドイツ語と英語とおそらくオランダ語でレコードの取り扱い方について書かれています。裏側は空白です。ステレオのインナーは裏側にroyal sound stereoのロゴがありますがそれは他のタイトルのステレオ盤の時に紹介します。

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ラベルです。えび茶にゴールド文字のドイツ特有のラベルです。ラウンド・デッカの中が全体にゴールドになっています。このロゴのタイプは64年プレスで初回としている資料がありますが、確かにこのタイプは『ファースト』と次の『AROUND AND AROUND』でしか確認出来ませんでした。面表記はSelte 1/Selte 2です。マトリクスは機械打ちでXARL-6271-Ⅱ X/XARL-6272-Ⅰ Xです。両面共Manufactured in Germanyの刻印があります。

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えび茶にゴールドのラベルですがDECCAのロゴの中が文字がゴールドとなっています。こちらはセカンドプレスで65年頃からのラベルという説があります。DECCAのロゴ以外は文字のフォントや配置など上のラベルと全く同じですが面表記の1だけ大きな文字となっています。マトリクスは機械打ちでXARL-6271-Ⅱ X/XARL-6272-Ⅱ Xです。両面共Manufactured in Germanyの刻印があります。

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67年頃に変更となった赤ラベルです。規格番号はBLK 16.300-Pのままです。面表示の1が大きく文字の配置は上のラベルと同じです。マトリクスは上と同じXARL-6271-Ⅱ X/XARL-6272-Ⅱ Xです。両面共Manufactured in Germanyの刻印があります。

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上のラベルと同じですが左上にMONOのクレジットがあります。このラベルは次に紹介するSLK規格(ステレオ)と区別するためにMONOのクレジットを入れて72年頃にリリースされた説もありますがその頃までBLKだったのか疑問が残ります。SLK規格といってもこのレコードの場合疑似ステでもなくモノラルのままなんですけどね!これはいつ頃のラベルか分かりましたら追記します。マトリクスは機械打ちでXARL-6271-Ⅰ X/XARL-6272-Ⅱ Xです。両面共Manufactured in Germanyの刻印があります。

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1970年9月には規格番号がBLKからステレオ用のSLK 16300-Pと変わります。先にも書きましたが内容はモノラルのままです。また、資料によっては64年からSLK規格があったと書かれているものもありますがえび茶にゴールドのラベルのSLK規格では「OUT OF OUR HEADS」以前は見た事が無くこの辺は曖昧です。ジャケットは基本的に変更は無く規格番号の部分だけが変更となっています。柔らかく趣のあった紙質は普通の紙質に変わり両面コーティングされています。裏ジャケ右上のの規格番号の部分です。

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裏ジャケ右下のクレジットも変更されています。上はオリジナルのもので空欄となっています。下はSLK 19300-Pに変更後でMade in Germanyや、発売元のTELDEC(Telefunken-Decca)の住所などのクレジットがあります。ここで気になったんですが印刷所はイギリスのMacNeill PressとありますがジャケットはUK製なんでしょうか? UK盤とは紙質が全く異なるのでこの部分を消し忘れて印刷してしまったようにも思えます。

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また、ドイツ盤の70年前後のジャケットの一部には下部や下に隠れて見えない部分にHartung(ハンス)とあるものがありますがまさかあのドイツの画家ではありませんよね?こういう名前の印刷所があるのか分かりませんが、これは意味不明です。ファーストではSLK規格のジャケット右下にありました。この文字は70年頃の他のタイトルでも見ることが出来ます。

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ラベルです。赤ラベルで規格番号がSLK 16 300-Pと変更になっています。「Mona」の曲名が2行目にずれたため「Little By Little」の作者クレジットは今までのラベルでは1行でしたが、こちらは2行に渡ってクレジットされているように全体に収まりの悪い曲名表示となっています。マトリクスは機械打ちでXARL-6271-Ⅱ X/XARL-6272-Ⅰ Xです。両面共Manufactured in Germanyの刻印があります。

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ドイツ盤のファーストはUK盤よりも音圧は低いですが、高音が突き抜けたところが無く落ち着いたまろやかな音が聞けます。えび茶にゴールドのラベルで聞くとなんだかいい音で聞いてるような雰囲気に駆られますよね(笑)。また、最初にも書きましたが「Tell Me」はきれいにフェイドアウトしていくヴァージョンが収録されています。これはフェードアウトしないで終わるのがイギリスやスペインなどで、きれいにフェイドアウトしていくのがドイツやフランスなどで同じヨーロッパでも違うのが面白いですね。今後も各国の『ファースト』を取り上げる予定ですが検証してみたいと思います。ドイツ盤の『ファースト』は73年2月に以前紹介したオランダ盤と同じミック・ジャガーの写真を使ったジャケットで再発されますがこちらは次回紹介します。

ローリング・ストーンズ UK盤 NO STONE UNTURNED いろいろ!!

ローリング・ストーンズのUK盤『NO STONE UNTURNED』です。1973年10月5日に発売され、規格番号はSKL 5173です。同年4月にイギリスやヨーロッパ各国、日本でシングル発売された「Sad Day」を始め、シングルのB面曲や当時のイギリスで未発売だった曲を中心に編集されたアルバムです。ジャケットはシングル「Jumpin' Jack Flash」で使われていた写真を使っており、表側だけコーティングされています。DECCAのロゴはなく、タイトルだけのシンプルなデザインです。

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左上のタイトルの部分です。

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裏ジャケです。このアルバムは後年まで細部のクレジットの変化はありません。

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裏ジャケ上部に曲目があります。こちらはA面の曲目です。疑似ステの曲には米印のマークが付いています。「The Singer Not The Song」はここではステレオという事になっていますが、疑似ステです。

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B面の曲目です。右上に規格番号のSKL 5173があります。他のUK盤はこの規格番号のところにSTEREOのクレジットがありますが、疑似ステの曲が多いせいかこのアルバムにはありません。

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右下にステレオの曲と疑似ステの曲の判別するマークの説明があります。

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左下にDECCAのロゴと住所、印刷所のクレジットがあります。このアルバムの印刷所は全てRobert Staceです。Made in Englandがジャケットの隅に縦書きでクレジットされています。

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ラベルです。ボックスト・デッカの青ラベルで、このレコードはラベルのヴァリエーションはありません。マトリクスは逆さ文字ではなくなっています。規格番号の下に疑似ステの表示があります。マトリクスは機械打ちでXEAL-12555-P-1W/XEAL-12556-P-1Wです。この他にB面のマトが-2Wのものを確認しました。

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80年代に入ってからのラベルです。ラベルの色は薄い青となっています。曲名、作者、出版社のクレジットが1曲1行となっています。マトリクスは機械打ちでXEAL-12555.P-2W/XEAL-12556.P-2Wです。上のラベルでは数字とPの間はハイフンでしたがこちらはドットとなっています。過去2作同様こちらも80年代特有の長いマトがあるのかは確認出来ませんでした。

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このアルバムは主にイギリスでアルバム未収録の曲が収録さてれおり「Poison Ivy」と「Money」はファーストEPからです。「Child Of The Monn」はアメリカで68年のプロモ・シングルではリアル・ステレオがありましたがレギュラー盤では72年の『MORE HOT ROCKS』に初めて収録されました。イギリスではこのレコードで初めてリアル・ステレオで収録されています。「Sad Day」はアメリカで「19th Norvous Breakdown」のB面に収録されていましたがその他の国では未発売で先にも書きましたが当時各国でシングル発売されましたね。「Congratutions」はUSA盤の「12X5」に収録されていましたがイギリスでは初登場です。この曲に関してはイギリス以外の国では既に発売されていたので本国で発売されていなかったなんて意外ですね!そして問題なのが「2120 South Michigan Avenue」でここではショート・ヴァージョンのリアル・ステレオが収録されています。後に全曲リアル・ステレオで登場するEP「5X5」の中で最初にステレオで登場しました。現在ではロング・ヴァージョンのステレオが聞けますね!残りの3曲はイギリスでシングルB面に収録されていてアルバムには初めて収録されました。今では珍しくない音源ばかりですが、こうやって見ると当時のイギリスでは未発売だったり結構マニア向けの画期的なアルバムだったという事が分かります。デッカはストーンズが離れてからたったの2年の間に5枚もの編集アルバムを作りましたがこれで一旦休止し、この後は75年の未発表曲を集めた『METAMORFORSIS』へと続きます。

ローリング・ストーンズ UK盤 ROCK'N ROLLING STONES いろいろ!!

ローリング・ストーンズのUK盤『ROCK'N ROLLING STONES』です。1972年10月13日に発売され、規格番号はSKL 5149です。ストーンズがデッカを離れてからの編集盤もこれで4作目で、ここでは「Talkin ' About You」がイギリス初登場となりました。残りはアルバムで聞ける曲ばかりですが、リアル・ステレオになった曲も含まれています。ロックン・ロールとローリング・ストーンズをかけたタイトル通りロックン・ロール調の曲が多く収録されています。ジャケットはミックの周りにバイクの写真をコラージュしたものです。初期型は表側だけコーティングされています。

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右下にDECCAのロゴがあります。

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裏ジャケです。デビューした頃のストーンズの写真が使われています。写真と曲目がフレームで囲まれていて、そのフレームが石の壁(?)に掛けてあるというデザインになっています。

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右上に規格番号のSKL 5149があります。その横に縦書きでSTEREOのクレジットがあり、その後にモノラルをステレオ化したという説明書きがあります。

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右下にコーティングの会社と印刷所のクレジットがあります。印刷所は後期まで全てUpton Printing Groupです。後期型のジャケットはコーティングが無くなったのにも関わらずこのコーティングの会社のクレジットが残されており訂正されませんでした。

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左下にDECCAのロゴと住所が、その横に縦書きでMade in Englandがあります。

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A面の曲目です。「Talkin' About You」のタイトルが「Talkin' About You Baby」となっています。これはジャケットだけではなくラベルでもそうクレジットされています。2曲目と4曲目に疑似ステのマークが付いていませんがステレオではなく疑似ステです。「Down The Road Apiece」は疑似ステのマークが付いていますがリアル・ステレオです。

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B面の曲目です。「Everybody Needs Somebody To Love」はUK盤『No.2』のヴァージョンで、ここではリアル・ステレオで収録されています。3曲目は疑似ステのマークが付いていませんが疑似ステです。最後の2曲は『GET YER YA-YA'S OUT』からのライヴ・ヴァージョンでテンポを落とした貫禄の演奏が聞けます。デビューからたったの6年でここまで進歩したストーンズってすごいですね!

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一部の盤には12ページのストーンズのレコードのカタログが付けられました。『LET IT BLEED』と『STONEAGE』に付けられていたものとほぼ同じ内容ですが、表紙が違います。

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内容はメンバーの写真とレコードの紹介です。

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裏表紙です。ブライアンが在籍した最後の頃の写真ですがみんなで手をつないで微笑ましい写真ですね!

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ラベルです。このアルバムはあまりラベルのヴァリエーションがありません。オリジナルのボックスト・デッカのラベルです。ラベルの中央ffrrの帯の下に裏ジャケにあったモノラルをステレオ化した説明書きがあります。ここでも「Talkin' About You」のタイトルが「Talkin' About You Baby」となっています。マトリクスは機械打ちでEAL-11691.P-1L/EAL-11692.P-1Lです。

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80年代のラベルです。薄い青になり、文字のフォントが変更されています。マトリクスは機械打ちでEAL-11691.P-1L/EAL-11692.P-1Lと上と同じです。前作の『MILESTONES』同様80年代特有の長いマトがあるのかは不明です。

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先にも書きましたがこのレコードは当時イギリスで未発売だった「Talkin' About You」が初収録されたことが目玉だったんでしょうね。この曲は疑似ステですがUSA盤の『DECEMBERS CHILDREN』のステレオ盤よりはっきりしたいい音で、一瞬リアル・ステレオか、と間違うほど高音と低音が分かれています。「Down The Road Apiace」のリアル・ステレオはこのレコードで初収録です。「Everybody Needs Somebody To Love」はUK盤『No.2』のヴァージョンで、この曲もリアル・ステレオで初登場となりました。こうして考えてみるとDECCAの編集盤シリーズもただの寄せ集めと思いきやモノラルがリアル・ステレオになっていたりして結構聞き所がありますね!ストーンズチャック・ベリーのカヴァーはどの曲も演奏が素晴らしく、若いエネルギッシュなストーンズを聞けるいいアルバムです。