ローリング・ストーンズ アナログ盤蒐集生活!

ただひたすらにローリング・ストーンズのレコードを紹介しているブログです。

ローリング・ストーンズ USA盤 METAMORPHOSIS いろいろ!!

ローリング・ストーンズのUSA盤『METAMORPHOSIS』です。1975年6月6日に発売され、規格番号はANA-1です。イギリスではデッカからの発売でしたが、アメリカではロンドンではなく遂にアブコからの発売となってしまいました。UK盤から「Some Things Just Stick In Your Mind」と「We're Wasting Time」の2曲をカットした14曲仕様となっています。他国では殆どがUK仕様で発売され、このUSA仕様で発売された国は他にはカナダとコロンビアがあります。ジャケットは各国盤同様ストーンズのイラストで、ブライアンとテイラーも一緒に書かれています。クレジットはタイトルだけで、グループ名や規格番号等はありません。

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一部の盤にはシュリンクの上からステッカーが貼られています。セカンド・シングルの「Out Of Time」の紹介が書かれているので75年10月以降のものと思われます。

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裏ジャケです。こちらも各国共通です。

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右上に規格番号のANA 1があります。

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右下にABKCOのロゴがあります。

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下部左下に著作権表示 ©1975 Abkco Records, Inc. のクレジットがあります。

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下部中央にDistributed by LONDON Records, Inc.とLitho in U.S.A.のクレジットがあります。

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参加者クレジットのジャック・ニッチェのクレジットがNitzcheとなっていますが、正しくはNitzscheと真ん中にsが入ります。これはこのアルバムの各国盤でも全部間違っていますね。

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曲目の部分の「Don't Lie To Me」の作者がJagger/Richardsとミスっています。正しくはHudson Whittakerで、タンパ・レッドの本名といった方が分かりやすいですね。曲名もタンパ・レッドの方は「Don't You Lie To Me」です。

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B面1曲目の「I Don't Know Why」の作者がシングル同様にJagger/Richards/Taylorとミスっています。正しくはStevie Wonder/Don Hunter/Paul Riser/Lula Hardawayの4人です。裏ジャケの曲目を見ると全曲オリジナルのようになってしまいますが、こうも間違えているとアラン・クレインはJagger/Richardsの印税のためにわざと間違えたのでは、と疑ってしまいます。ジャケットでこの部分を間違っているのはアメリカの他にカナダとコロンビアがあり、イギリスや日本など殆どの国ではこの部分は間違っていません。

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インナーです。USA盤は専用のインナーが使われていてこのアルバムのジャケットをデザインしたアイロンプロントが貰える広告になっています。

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裏側です。裏ジャケと同じ木のイラストが使われています。センターの穴に当たる部分がアイロンプロントの申し込み用紙となっていて切り取れるようになっています。何回かこのアルバムを買いましたがこの部分が切り取られたインナーを見た事が無いので、アイロンプロントを買った人はあまりいなかったのかも知れませんね(笑)。

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ラベルです。青のアブコ・ラベルが使われています。ラベル上部にABKCOのロゴがあります。A面の「Don't Lie To Me」は全てのラベルでJagger/Richardsと誤記されています。B面の「I Don't Know Why」は一部の盤でJagger/Richards/Taylorとなっていますが殆どの盤がWonder/Hunter/Riser/Hardawayと修正されています。最初に間違えている盤をまとめて挙げていきます。また、間違っている盤はB面の写真も載せておきます。

左側にANA-1とマトが、右側にSide 1とSTEREOがあります。マトの最後のPHはプレス工場でインディアナ州のPRC (以前のPhilips) Recording Corp.の事です。タイトルは中より上にあります。曲目は左揃いです。「I Don't Know Why」の作者はJagger/Richards/Taylorです。マトリクスは手書きでANA-1A-2 1=1/ANA-1B-1-1-1です。これ以降マトは全て手書きです。

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B面のラベルです。「I Don't Know Why」の作者が間違っています。

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左側にANA-1が、右側にSIDE ONEがあります。マトは下部にあります。ALはペンシルバニア州のAllentown Record Co.です。タイトルは中央より上にあります。曲目は左揃いです。このラベルはSTEREO表記がありません。B面の「I Don't Know Why」の作者クレジットはJagger/Richrds/Taylorと間違っています。マトリクスはANA-1A-X PP/ANA-1B-X PPです。

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左側にANA-1が、右側にSTEREOとSIDE ONEがあります。マトは下部にあります。THはインディアナ州のColumbia, Terre Hauteの事です。タイトルは中央より上にあります。曲目は左揃いになっています。マトリクスはT1  ANA-1A  ANA 1-A-1/T1  ANA 1B  ANA 1-B-2です。他にT1  ANA 1A  ANA 1-A-3/T1  ANA 1B  ANA 1-B-1 を確認しました。このラベル以降「I Don't Know Why」のクレジットはWonder/Hunter/Riser/Hardawayと正確になっています。

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B面のラベルです。「I Don't Know Why」がWonder/Hunter/Riser/Hardawayと修正されています。これ以降は全て正確にクレジットされているのでB面のラベルは省略します。

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左側にANA-1が、右側にSTEREOとSIDE ONEがあります。マトは下部にあります。Wはカリフォルニア州のH.V. Waddellの事です。タイトルは中央より上にあります。曲目は中央揃いになっています。マトリクスはANA-1A ③W/ANA-1B ②Wです。

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濃いブルーのラベルです。左側にANA-1とSIDE 1が、右側に回転数とSTEREOがあります。このレコードで回転数の表記は珍しいです。マトは下部にあります。BWはニュー・ジャージー州のBestway Products,Inc.の事です。タイトルは中央より下にあります。曲目は中央揃いになっています。マトリクスはANA-1A BEST ① 5-21-75/ANA-1B BEST ① 5-21-75です。両面に5-21-75と日付が入っています。

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上と同じ文字の配置ですが文字の色が青です。このアルバムで青い文字は珍しいです。上と同じBestway Products,Inc.製です。タイトルは中央より下にあります。曲目は中央揃いになっています。マトリクスはANA-1A BEST ③ 5-21-75/ANA-1B BEST ① 5-21-75です。A面の③は上のラベルのマトの①を消して修正されています。

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左側にANA-1とSTEREOが、右側にSIDE ONEとマトがあります。マトのPはニュー・ジャージー州のColumbia, Pitmanの事です。タイトルは中央より上にあります。曲目は左揃いになっています。マトリクスはANA-1A X/ANA-1B Xです。

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左側にSTEREOとSIDE ONEが、右側にANA-1とマトがあります。このレコードはプレス工場が不明です。タイトルは中央より上にあります。曲目は左揃いになっています。マトリクスはANA-1-A/ANA-1-B-2です。

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このレコードは意外とラベル違いが多く、この時代になってもいろいろな工場でプレスされている事が驚きです。A面は主にアンドリュー・オールダム・オーケストラ用の演奏や他の人に提供した曲のデモ収録されており、ミックだけとか、一部のメンバーしか参加していない曲も含まれます。UK盤の時にも書きましたがこれらの曲を提供されたアーティストのヴァージョンを聞くと結構いい曲だったんだ、と再発見します!B面はストーンズ本体の演奏で、60年代後半の各アルバムから漏れた曲が収録されていますがこれが意外と完成度が高くいい演奏を聞かせてくれます。当時未発表曲が聞けるという事で期待して買ったアルバムで、A面のジャガー・リチャーズの初期作品など今改めて聞くと結構ポップス調の曲もあり新鮮な気がしますね!

ローリング・ストーンズ USA盤シングル OUT OF TIME いろいろ!!

ローリング・ストーンズのUSAシングル盤「Out Of Time/Jiving Sister Funny」です。75年9月5日(10月説もあり)に発売され、規格番号は5N-4702です。アルバム『METAMORPHOSIS』からの2枚目のシングルです。「Out Of Time」はアフターマス・ヴァージョンとは違いクリス・ファーロウに曲提供した時の演奏にミックのガイド・ヴォーカルのヴァージョンが使われています。レコードはアブコの青いカンパニースリーブに入っています。

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カンパニースリーブの裏側です。こちらは薄い色になっています。細かい部分は前回の「I Don't Know Why」の時に取り上げましたのでここでは省略します。

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ラベルです。最初はプロモからいきます。「I Don't Know Why 」のプロモはモノラル/ステレオが収録されていましたが、こちらはレギュラー盤同様B面に「Jiving Sister Funny」が収録されており、両面アルバム同様ステレオ・ヴァージョンが収録されています。規格番号は5N-4702-DJとなっています。その下にプロデューサー・クレジットがあります。左側にPROMOTIONAL COPYとプロモを表す★のマークがあります。マトリクスは手書きでXRQ 75063X/XRQ 75064です。

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右上にPROMOTIONAL COPY NOT FOR SALEがあります。規格番号の後にDJは付いていません。マトリクスはXRQ 75063-2/XRQ 75064-1です。

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ラベルの色は濃いブルーです。規格番号の後にDJがあります。規格番号の上にMade in U.S.A.があります。左側にPROMOTIONAL COPYが、右側にNOT FOR SALEがあります。★のマークは左上にあります。マトリクスはXQR 75063 △97773/XQR 75064 △97773-Xです。

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ここからレギュラー盤です。文字の配置は一番最初のプロモと同じです。右側に5N-4702、その下にプロデューサー・クレジットがあります。マトリクスは手書きでXQR 75063X/XQR 75064です。このマトは1番目のプロモと同じです。

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上のラベルの右側にあったP1975 Abkco Records,Inc.のクレジットがありません。その他の文字の配置は上のラベルと全く同じです。ミスなのか、何故P1975~の著作権クレジットが無いのか不明です。マトリクスはXRQ 75063-2/XRQ 75064-1です。このマトは2番目のプロモと同じマトです。

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濃い青のラベルです。規格番号の上にMade in U.S.A.があります。マトリクスはXRQ 75063 △97773/XRQ 75064 △97773-Xです。このマトは3番目のプロモと同じマトです。

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「Out Of Time」はクリス・ファーロウのヴァージョンに使われたものでオーケストラを使った豪華なアレンジとなっています。バック・コーラスも全く同じです。クリス・ファーロウの歌い方はちょっと崩した感じで、ミックの方が素直に歌っています。最初にこの曲を聞いたときはクリス・ファーロウのバックに使われたものという事さえも知らなかったですね。「Jiving Sister Funny」は69年5月~7月に録音されたものでミック・テイラーが参加しています。ストーンズ調の曲ですが、テイラーのギターは途中から急に入ってきてミックのヴォーカルとかぶって演奏しているのでまだ試行錯誤の状態のような気がします。しかしアウトテイクでもこんなにいい曲があるものだと当時は感激して聞いたのを覚えています。

ローリング・ストーンズ USA盤シングル I DON'T KNOW WHY いろいろ!!

ローリング・ストーンズのUSAシングル盤「I Don't Know Why/Try A Little Hearder」です。1975年5月27日に発売され、規格番号はABK-4701です。2曲共この後6月6日に発売された未発表曲を集めたアルバム『METAMORPHOSIS』に収録されています。レコード会社はLONDONではなくABKCOとなっており、レコードはアブコ専用の青いカンパニースリーブに入っています。

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カンパニースリーブの左下にABCKOのロゴがあります。

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カンパニースリーブの裏側です。こちらは薄い青となっています。

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右下にABCKOのロゴがあります。表側と違い、こちらはロゴの部分が色が反転して濃い青となっています。

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裏側左側に縦にアブコの住所とPRINTED IN U.S.A.があります。

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ラベルです。最初はプロモからいきます。このシングルのプロモは両面に「I Don't Know Why」が収録され、片面にモノラル、片面にステレオが収録されています。この曲のモノラル・ヴァージョンはUSA盤のこのプロモでしか聞けません。今回プロモを2枚紹介しますが2枚共作者はJagger;Richards;Taylorとミスっています。ラベル上部にABCKOのロゴがあります。規格番号の部分はABK-4701-DJとなっています。こちらはモノラル側で規格番号の上にMONOがあります。左側にPROMOTIONL COPYがあります。グループ名の下にDistributed by London Records, INC.があります。マトリクスは手書きでXRQ 75061/ZXRQ 75061Xです。マトはモノラル→ステレオの順です。これ以降のマトはレギュラー盤も含め全て手書きです。

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ステレオ側のラベルです。モノラル側と文字の配置は同じですが規格番号の上にSTEREOがあります。

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青い文字のプロモです。左上にPromotional Copy Not For Saleがあります。上のラベルでグループ名の下にあったDistributed by London Records, INC.のクレジットが右側に移動しています。規格番号の上にMONOがあります。マトリクスはXRQ 75061-1/ZXRQ 75061-2です。

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ステレオ側のラベルです。規格番号の上にSTEREOがあります。

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ここからレギュラー盤です。最初はJagger;Richards;Taylorとミスっているラベルからまとめていきます。右側にABK-4701があります。その下にプロデューサー・クレジットがあります。マトリクスはZXRQ 75061X/ZXRQ 75062です。A面のマトはプロモのステレオ面と同じです。

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濃いブルーのラベルです。プロデューサー・クレジットがグループ名の下に移動しています。Distributed by London Records, INC.は規格番号の下にあります。マトリクスはZXRQ 75061 ①  △97304/ZXRQ 75062 ② △97304-Xです。

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ここからは「I Don't Know Why」の作者がWonder; Hunter; Hardway; Riserと修正されたラベルです。作者が修正されたため版権のクレジットがAbkcoからJobete Music Co, Inc.とStone Agate Music Division.へと変更となっています。マトリクスはZXRQ 75061X/ZXRQ 75062です。このマトは作者が違っていた最初のラベルのものと同じです。

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細い活字のラベルです。左側のマトの最後にPHがあります。これはインディアナ州のPRC Recording Corp.の事です。左側にプロデューサー・クレジットが、右側にDistributed by London Records, Inc.があります。マトリクスはZXRQ 75061-1-1-1/ZXRQ 75062-2-1-1です。

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左下にプロデューサー・クレジットがあります。右下にDistributed by London Records, Inc.があります。上のラベルと配置が似ていますが文字が全く違います。マトリクスはXZRQ 75061  SHELLY  5. 14. 75/XZRQ 75062-X  SHELLY  5. 14. 75です。SHELLYはニューヨークのShelley Products, Ltd.の事です。また、このレコードはマトに日付が入っており発売の約2週間前にプレスされたのが分かります。

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文字の色が青いラベルです。規格番号の上に初めてSTEREOの文字があります。規格番号の下にプロデューサー・クレジットとDistributed by London Records, Inc.のクレジットがあります。マトリクスはZXRQ 75061-3/ZXRQ 75062-3です。

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「I Don't Know Why」はミックテイラーを加えた最初期の録音で、録音中にブライアンの死を告げる電話がかかってきた話もありますね。なお、録音は6月30日説もあるのでこの曲の録音中に電話がかかってきた説も不明な点があります。最初の頃のプレスは作者が間違っていますが、アラン・クレインが自身の収益のためわざと間違えたと疑ってしまいますよね(笑)。プロモのモノラル・ヴァージョンはステレオよりミックの声が前面に聞こえます。また、ステレオの方もプロモの方がスライドやピアノの音がきれいに響いています。このピアノはスチュによるものです。「Try A Little Harder」は64年6月~7月に録音されたアンドリュー・ルーグ・オーケストラのセッションで録音されたもので、ステレオとありますが疑似ステです。ミック以外のメンバーの参加は不明で、イントロの印象的なギターがキースなのかは分かりません。75年にこの曲を聞いた時相当古臭いと感じたのでそれまでの10年間での音楽や録音の進歩は計り知れないものだったんですね!