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jukeboy’s diary

ローリング・ストーンズを中心にいろいろな珍しいレコードを紹介しています。

ローリング・ストーンズ USA盤12X5別カヴァーは米国内で発売されていたのか??

ローリング・ストーンズ

ローリング・ストーンズのUSA盤『12X5』にはファーストの写真を使った別カヴァーが存在します。USA初回盤のジャケットと言われていますが、本当にアメリカ国内で発売されていたのか謎なので取り上げてみたいと思います。このジャケットはモノラルとステレオの両方存在し、中のレコードはUKプレスのものです。特にステレオのUKプレスのLONDON盤はこれでしかない貴重なものです。ステレオのジャケットです。左上に規格番号のPS 472とSTEREO、右上にLONDONのロゴがあります。他のUS盤と違い俗にいうペラ・ジャケです。

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裏ジャケです。デザインはUSA盤の『12X5』と同じです。上下とも中央が丸く凹んだフリップバックになっています。

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モノラル盤のジャケットです。左上に規格番号のLL 3472とMONO、右上にLONDONのロゴがあります。

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モノラルの裏ジャケです。こちらもデザインはUSA盤の『12X5』と同じです。ステレオと同じく上下とも中央が丸く凹んだフリップバックになっています。

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ジャケット表側左上の部分です。規格番号とSTEREO、MONOの表示があります。

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 裏ジャケ左下の部分です。それぞれの規格番号とalso available in ~のクレジットがあります。

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裏ジャケ右下の部分です。それぞれの規格番号があります。下部の両脇に規格番号があるのは他のUSA盤と同じですが、国名のクレジットがありません。両方共規格番号の近くにCPL 1917と不明の番号があります。後で詳しく触れますがこの不明の番号とフリップバックの形を見てアメリカ国内では発売されていなかったのでは?と疑問を持ちました。

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ステレオ盤の裏ジャケ下部中央にはUSA盤の初期のステレオ盤にあったPLAY THE RECORD ONLY ON STEREOPHONIC EQUIPMENTの文字があります。フリップバックが凹んでいるデザインもわかると思います。

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曲目の部分です。USA盤の『12X5』同様「Congratulations」のスペルをミスってます。

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内袋です。ロンドンのffrrのものが使われています。

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反対側です。

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モノラルのラベルです。上部にMADE IN ENGLANDと書かれたUK輸出仕様です。マトリクスは機械打ちでARL-6493-2A/ARL-6494-2Aです。

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ステレオのラベルです。このUK輸出仕様は通常のジャケットの『12X5』では存在しません。上部にMADE IN ENGLAND、LONDON ffrrのロゴがあります。マトリクスは機械打ちでZAL-6493-2L/ZAL-6494-3Lです。その他に-3L/-3Lのものも確認しました。

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ここで、オーストラリアでの『12X5』を見てみるとオーストラリアの初版ではモノラル、ステレオ共にこのジャケットが使われています。オーストラリア盤のジャケットです。左上の規格番号の部分はオーストラリア独自のLKA 7591(モノラル)、SKLA-7591(ステレオ)で、ロゴはDECCAになっています。中のレコードは通常のオーストラリア・プレスのものです。

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オーストラリアのセカンド・ジャケです。こちらは通常の『12X5』と同じです。レーベルはDECCAです。

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オーストラリア盤の裏ジャケです。中央が丸く凹んだフリップバックの形が上のUK輸出仕様のものと全く同じです。国名は書かれていません。これから考えるとこのジャケットはオーストラリアでは印刷されてものではなくどこかの国から輸入したのかも知れません。

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通常のジャケの方は全体に青くなっていて、こちらにはオーストラリアの表示があります。初期のオーストラリアではシールを貼ってモノラル、ステレオを区別していたので通常のジャケットの方は規格番号が両方クレジットされています。

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表側左上の規格番号の部分です。オーストラリア独自のSKLAとLKAの規格です。

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裏ジャケ右下の部分です。規格番号とUK輸出仕様にあった謎のCPL 1917の記号があります。

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以上から考えてまとめてみるとこのUK輸出使用のジャケットは

①ジャケットがイギリスで作られたとしたらフリップバックの形が違い、MADE IN ENGLANDや印刷所のクレジットが無く、コーティングもありません。イギリスでジャケットが作られた日本向けのものはロゴがLONDONになっただけでENGLANDや印刷所のクレジットがありました。

②A式と呼ばれているUSA盤のジャケットとも作りが全く違います。アメリカの初回盤だとしたらもっと出回っていてもいいと思います。

CPL 1917というオーストラリアの初回盤と同じ謎の記号があります。これはオーストラリア、あるいはオーストラリアの初回盤が自国で印刷しなかったとしたらその近隣諸国で印刷された可能性が高いと思います。

④この15年位で7~8回eBayで見かけましたが、大体はオーストラリアか東南アジア方面(シンガポール、マレーシアやインドネシア)から出品されていてアメリカ本土からの出品はなかったです。2月20日現在、ステレオの輸出仕様がeBayで出品されていますがこれはイギリスからの出品です。

⑤資料本STONES WORLDWIDEではシンガポール盤としています。その他香港としている資料もみたことがあります。

以上から考えてこのジャケットのものはアメリカ国内では発売されていなかったのでは?と考えられます。これは私の全くの仮説ですので真偽のほどはわかりませんが、イギリス領だったマレーシアとシンガポールは63年に「マレーシア連邦」として英国からの独立し、その後65年にはシンガポールがマレーシアから分裂して独立、その頃にイギリスからレコードを輸入して現地でジャケットを作ったのではないでしょうか?確かに60年代のシンガポールではDECCAとLONDONが混在していてジャケットはシンガポール独自のDECCA、中のレコードはUSA盤LONDONの『BIG HITS』なんていう珍盤もあります。シンガポールでの純粋なプレスはシングル「Jumpin' Jack Flash」からですのでこれ以前のレコードは輸入していたと考えられます。他の資料にあった香港では64年の「Not Fade Away」から香港でプレスしていて、レーベルもDECCAですのでこれは間違いだと思いますが…。このUK輸出仕様はアメリカ国内ではなくおそらくシンガポール、またはマレーシア周辺の国々で発売されていたのかと思いますがご存知の方がいらっしゃいましたらご教授願います。