ローリング・ストーンズのスペイン盤『No.2』です。1972年に発売され、規格番号はLK4661です。スペインでは『No.2』と『OUT OF OUR HEADS』は60年代には発売されていなかったという説がありますが、これは後で触れるとしてここではこの別カヴァーの『No.2』を取り上げます。ジャケットのデザインは無機質なもので、タイトルもNo.2としましたがTHE ROLLING STONESのみです。スペインではファーストもTHE ROLLING STONESで発売されているのでファーストとの区別はしなかったんですかね?また、このアルバムはモノラルしか発売されていません。
右下に規格番号のLK 4661とDECCAのロゴがあります。
裏ジャケです。曲目と文字だけのシンプルなデザインです。No.2の文字はどこにもなくただのTHE ROLLING STONESとして発売されたようです。
曲目の部分です。スペイン語のタイトルの下に英語表記があります。曲目はUK盤の『No.2』と同じです。面表示はCARA 1/CARA2となっています。
下部中央にDISCOS COLUMBIAのクレジットがあります。このDISCOS COLUMBIAは1935年に説立されたスペインでの配給元の会社名です。スペイン盤の裏ジャケによくMadridとあるのはこの会社がマドリードにあるからです。60年代前半のスペイン盤はジャケットやラベルにMade in Spain等のクレジットがなく、裏ジャケやラベルのリムにこのDISCOS COLUMBIAの文字があるのためよくレコード店でスペイン盤をコロンビア盤と称して売っているのはこのせいで、南米のコロンビアとは何の関係もありません。ちなみにコロンビア盤のレーベルはDECCAではなく、LONDONなのですぐに判別出来ます。
右下にAvada, Amorica, s/n-Madorid(1972)のクレジットがあります。スペイン盤はここに発売年が書かれているので同じタイトルでもオリジナルか再発かプレス時期が判断できます。
左下にMADE IN SPAINがあります。
ラベルです。オレンジ色にシルバーの文字のモノラル盤のラベルです。スペインではステレオは途中からボックスト・デッカに変わりましたが、モノラルは後期のプレスでもオープン・デッカのままです。ここでもタイトルはTHE ROLLING STONESとなっておりNo.2の文字はどこにもありません。右側にLK 4661とマトリクスの逆さ文字があります。曲目はスペイン語表記のみとなっています。MADE IN SPAINのクレジットはどこにもなくリムにDISCOS COLUMBLAのクレジットがあります。マトリクスは機械打ちでXARL-6619-1A/XARL-6620-1Aです。このマトはUK盤と同じです。
B面のラベルです。
ここからスペインでのオリジナル盤の『No.2』です。最初にも書きましたスペインでは『No.2』と『OUT OF OUR HEADS』はリアルタイムでは発売されず、77年に2枚まとめてオリジナルのジャケットで発売されたとあります。ただ、このジャケットの仕様やレコードのラベルがスペイン・オリジナル盤の『AFTERMATH』や『FLOWERS』などと全く同じなのでこの説は間違いで、正確な発売日は不明ですが、おそらく本国イギリスと同じ65年頃の発売だと思います。
左上のモノラルと規格番号の文字はUK盤とは違いスペイン独自のものです。
裏ジャケです。こちらもスペイン独自のデザインとなっています。ここでもNo.2の文字はありません。
右上にLK 4661とあります。
曲目の部分です。タイトルはスペイン語で書かれています。その後に英語表記があります。面表示はCara primera/Cara segundaとなっています。また、レコード取り出し口が丸くカットされていますが、初期のスペイン盤は他のタイトルもこうなっています。
下部中央に配給元のDiscos COLUMBIAのクレジットがあります。
右下にDECCAのロゴがあります。
左下にTHE DECCA RECORD COMPANY LIMITED, LONDONのクレジットがあります。
ラベルです。スペインのモノラル盤で67年から72年頃まで使われていたオレンジに黒文字のラベルです。リムの上部にDISCOS COLUMBIAがあります。これより後の『AFTERMATH』に66年以前に使われていたオレンジに黒文字のラベルでリムにFabricado en Espanaがあるものを確認しているのでこの『No.2』にも初期型のラベルがあるかも知れません。マトリクスは機械打ちでXARL-6619-1A/XARL-6620-1Aです。
B面のラベルです。
オリジナルはUK盤と同じジャケットですが、この再発盤の無機質なジャケットは何を意味しているのか理解に苦しみますね(笑)。ドイツの石ころだけのジャケットだったらストーンズと関係あるのでまあ分かりますが、こちらのスペイン盤は面白いジャケットです。また、タイトルですがオリジナルも再発もなんで『No.2』にしなかったのかも謎です。スペイン盤はこの他にも表は各国と同じでも裏ジャケが独自のものも多いのでまたの機会に紹介します。