ローリング・ストーンズ アナログ盤蒐集生活!

ただひたすらにローリング・ストーンズのレコードを紹介しているブログです。

ローリング・ストーンズ ベルギー盤 GOT LIVE IF YOU WANT IT いろいろ!!

ローリング・ストーンズのベルギー盤『GOT LIVE IF YOU WANT IT』です。1969年11月に発売され、規格番号はSSS 159 Y(レコードはSSS 159 Y 636)です。この時期のベルギー盤はジャケットはフランスで作られ、レコードはベルギーでプレスされています。ベルギーではステレオのみの発売で、発売時期によってジャケットやラベルの細かいデザインが違っているので順を追ってまとめてみようと思います。ジャケットのデザインは各国盤と同じで初期型は表側がコーティングされ、裏ジャケはフリップバック仕様となっています。後期型はコーティングが無くなり、フリップバック仕様ではなくなっています。

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右上にDECCAのロゴと規格番号があります。ジャケットはフランスで作られているためかよく見ると規格番号の下にうっすらとフランスの番号が見えます。上がオリジナル盤でSSS 159のみの表記です。真ん中が71年3月の再発盤です。文字が太くなり、規格番号の最後にYが追加されています。また、番号の最後が括弧で囲ってあり639を633と間違えています。下は後期盤で文字が細くこちらは636と修正してあります。またDECCAのロゴの中が初期~中期盤は薄い黒、後期盤は黒になっています。

こちらは純粋なフランス盤のジャケットです。DECCAのロゴの下に上のジャケットでうっすらと見えていたSTEREO 258.027Sがあります。DECCAのロゴの中は上の初期型の薄い黒となっています。

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タイトル、曲名の部分です。この部分は各国盤と同じです。

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裏ジャケです。こちらも各国盤と同じデザインです。初期型はフリップバック仕様となっています。

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左上に規格番号がありますが上がオリジナル盤で、SSS 159のみのクレジットです。真ん中の中期型はYが追加され、ここでも633とミスっています。下の後期型は637と修正されています。この部分はフランス盤のジャケットを元にこの部分だけ修正したためか黒く不自然となっています。

曲目の部分です。面表記はFace 1/Face 2となっています。

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B面の曲目の部分です。

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裏ジャケの右下の部分です。Imprime en France(スランス語でPrinted in Franceの意)とジャケットを制作した日付が書かれています。上がオリジナル盤で日付が11-69となっています。真ん中は中期型で3-71となっています。下は日付が無い後期盤です。この後期盤だけフリップバック仕様ではなくなっています。なお、余談ですがフランス国内で発売されたこのタイトルの純粋なフランス盤には何故かこのImprime en Franceのクレジットはありません。

インナーです。60年代後半にヨーロッパ諸国で使われていたインナーです。

ラベルです。こちらはオリジナル盤のラベルになります。上部にボックスDECCAのロゴがあります。その下にSUPER SOUND STEREOのクレジットがあり、左側に規格番号とマトリクス、面表記があります。右側にBIEMという録音権協会国際事務局のクレジットがあります。日本でいうJASRACのような団体です。その下にグループ名と曲目があります。タイトルはありませんが、このアルバムってUSA盤もそうでしたよね!そして「Fortune Teller」の曲名が「Fortune Letter」とミスっています。マトリクスは機械打ちでZAL-7517-1W/ZAL 7518 L4です。A面のマトはUK輸出仕様と同じです。他のベルギー盤同様Made in Belgiumのクレジットは何処にもありません。

B面のラベルです。

中期型のラベルです。上のラベルと似ていますが、規格番号がSSS 159 Yの次に636が追加されています。これはジャケットでもこうなっていましたね。上のラベルにあった面表記がありません。その他は上のラベルと同じです。このラベルも「Fortune Teller」が「Fortune Letter」とミスっています。マトリクスは機械打ちでZAL-7517-1W/ZAL 7518 C5です。こちらもA面のマトはUK輸出仕様と同じです。

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「Fortune Letter」とミスっている部分です。

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B面のラベルです。

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こちらは後期型のラベルです。色が薄い青になっています。規格番号の部分は中期型のラベルと同じくSSS 159 Y 636となっています。その下に面表記が復活しています。BIEMのクレジットは上の2種類のラベルとは枠が違います。このラベルも「Fortune Letter」とミスっています。マトリクスは機械打ちでZAL-7517-1W/ZAL 7518 K7です。B面のマトは7X518と2番目の数字を間違えてXで訂正してあります。こうしてみるとB面のマトはL4→C5→K7と進んでいるのが分かります。A面のマトは最後までUK輸出仕様と同じでした。

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B面のラベルです。

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TellerをLetterと間違えたのはスペルが似ているので分からなくもありませんが、フォーチュン・クッキーなんて間違えていたらミス・クレジット大賞になりそうですよね(笑)。このレコードはこの他にジャケットの規格番号の間違いや、マトを間違えてXで消してあったりと、間違いが多いですね!音はUSA盤ステレオやUK輸出仕様などと音質や音圧は同じです。ベルギーでは当時『AFTERMATH』と『サタニック』が発売されておらず、おそらく隣国のフランスから輸入して補っていたと思われますが、独自の発売形態なのでファースト(これもジャケ違い)から順に並べてみると面白いと思います。このライヴもベルギーでは69年の発売なので通常よりも2年遅れての発売となっており、翌年には『GET YER YA-YA'S OUT』が発売されているので当時のベルギーの人はたったの1年で2枚のライヴ・アルバムの違いに驚いたと思います。

ローリング・ストーンズ フィリピン盤Diff.カヴァー EXILE ON MAIN STREET!!

ローリング・ストーンズのフィリピン独自のジャケットの『EXILE ON MAIN STREET』です。これは以前別ジャケットの時にジャケットだけ紹介しましたが、今回はジャケットの細部、ラベル等も紹介します。1973年1月に発売され、規格番号はCOC 2-2900です。ジャケットはリンゴを3つ口に含んだ人の写真が使われており、上にグループ名、下にタイトルがあります。見開きではなくシングル・ジャケで、USA盤のような厚紙2枚を紙で巻いた造り(紙ジャケでいうA式)となっています。なお、これと同じデザインでアウトテイクを収録したアナログ・ブートが出回っているので要注意です。ブートのジャケは最後で取り上げます。

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左上に曲目が書かれたステッカーが貼ってあります。USA盤のシールドの上に貼ってあった曲目ステッカーと同じ字体ですがこちらは周りにあった白枠がありません。

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右下にベロマークがあります。

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裏ジャケです。こちらは各国盤同様のデザインです。厚紙に台紙を貼ったものなのでジャケットを手に取った時何となく60年代のアメリカ盤のような雰囲気を感じます。

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裏ジャケ左上に表側と同じ曲目ステッカーが貼ってあります。

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各国盤にあった専用のインナーは無く、レコードは白い袋に入っています。ラベルです。ストーンズ・レコードの黄色いラベルではなくアトランティックのラベルとなっています。上から規格番号、STEREO、グループ名、タイトルの順にクレジットされています。中央の白いラインは左側にATLANTICの文字、右側にSIDE 1とアトランティックのロゴがあります。曲目の下にUSA盤と同じマトが書かれています。リムの最初にMFD. IN THE PHILIPPINS BY MARECO, INC.とあります。フィリピンでの配給元はこのMARECO, INC.という会社です。マトリクスは手書きでCOC-2-2900 SIDE-Ⅰ (ST-RS-722507 PR)/COC-2-2900 SIDE-Ⅱ (ST-RS-722508 PR)/COC-2-2900-B- SIDE-Ⅲ (ST-RS-722509 PR)/COC-2-2900 SIDE-Ⅳ (ST-RS-722510 PR)です。各面のマトの最後にUSA盤のマトがあります。   

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B面のラベルです。

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C面のラベルです。

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D面のラベルです。

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ネットから拝借した画像ですがこのフィリピン盤を模したブートレグのジャケットを載せておきます。こちらは表側です。色合いが全く違い画質も不鮮明です。曲目ステッカーの部分の曲名を見ると一目瞭然ですね!正規盤は2枚組ですが、こちらは1枚ものです。タイトルは『EXILE ALTERNATE VERSIONS (UNRELEASED SONGS AND VERSIONS)』だったと思います。ラベルまでフィリピン盤と同じアトランティックのラベルを使っています。

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こちらは裏側です。下部にフィリピン盤にはなかったいろいろなクレジットがあります。表側同様こちらも曲目ステッカーの部分が全く違います。

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話がずれましたが、このフィリピン盤は意外と音がいいです。高音もスッキリしていて音の伸びもいいです。各面のマトにUSA盤のマトが書かれていたのでUSA盤のマザーを使っているのかも知れません。ストーンズ・レーベルになってからは各国共通のジャケットになってしまい別ジャケは殆ど無いですが、このリンゴを3個口に含んでいる男の写真はUSA盤のプロモ用のカヴァー(本来のジャケットに被せるようなもの)で使われていたり、72ツアーではチャーリーがこのTシャツを着ていたりと、いかにもこのアルバムのイメージを表しているようでこれをジャケットにしてしまったフィリピン盤は面白いですよね! 

ローリング・ストーンズ スペイン盤 AFTERMATH いろいろ!!

ローリング・ストーンズのスペイン盤『AFTERMATH』です。スペインではUK盤と同じ曲目で1966年に発売され、規格番号はLK 4668です。規格番号から分かるようにスペインでは最初の発売から80年代の最終プレスまでナント、モノラルしか発売されませんでした!ジャケットはUK盤と同じデザインです。オリジナル盤は表側コーティングのペラペラなジャケットで、後期へ行くと硬いジャケットに変わります。

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写真では分かりづらいですが、ジャケットの色はオリジナル盤は紫で、後期へ行くと右側の白黒に変わります。

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左上の規格番号の部分です。枠の内側の色はジャケットに合わせてオリジナル盤は薄い紫、後期盤は白になっています。写真ではよく分かりませんが実物はもっと違いが分かります。

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裏ジャケです。表側同様こちらもUK盤と同じデザインです。

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裏ジャケ右上の部分です。上からオリジナル盤、下へ行くほど後期盤です。MONOと規格番号のLK 4786があります。オリジナル盤だけLK 4786の文字が大きいですが、この部分は一番下の最終プレスだけ規格番号が63 99 156が追加されているだけで大きな違いはありません。

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右下のDECCAのロゴの下のクレジットの部分です。どのジャケットにどのラベルのレコードが入っていたか照合するために番号を振っておきます。上から①オリジナル盤でDiscos Columbiaや印刷所の住所のクレジットがあり、②クレジット無し、③オリジナル盤と似ていますが、マドリードの印刷所の部分が小さな文字、④MADE IN SPAINのクレジットがあり、住所の後に(1978)、⑤最終プレスでMADE IN SPAINが無く住所の後に(1981)、の順となっています。

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①のオリジナル盤のジャケットだけレコード取り出し口に丸い凹みがあります。これは他のタイトルの初期盤と同じですね!

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A面の曲目の部分です。面表記がCara 1となっています。

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B面の曲目の部分です。

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ラベルです。オリジナル盤のオレンジに黒文字のラベルです。リムの上部にFABRICADO EN ESPANA(スペイン製)とあります。67年には次のラベルに変わってしまうので『AFTERMATH』のこのラベルは出回った数が少なかったと思います。右側にマトの逆さ文字と規格番号があります。面表記はありません。作者は1曲毎にタイトルの後にクレジットされています。アレンジとプロデューサー・クレジットは下部にあります。マトリクスは機械打ちでLCCI-1126LCCI-1127です。ジャケットは①です。

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B面のラベルです。

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オレンジに黒文字のラベルですが、67年以降のプレスでリムがDISCOS COLUMBIAに変わっています。その他は規格番号や曲目の部分は位置は同じですがオリジナル盤とは文字のフォントが変わっています。マトリクスは機械打ちでLCCI-1126/LCCI-LCCI-1127です。ジャケットは①で時期的に上のオリジナル盤と同じジャケットに入っています。

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B面のラベルです。

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72年頃からのオレンジにシルバー文字のラベルです。オープン・デッカで左側に回転数、右側にffrrの耳のロゴはこれまでのラベルと同じです。規格番号の上にMade in Spainがあります。これまで逆さ文字だったマトリクスは普通の表示になっています。面表示はCara 1/Cara2です。今まで一曲ごとにクレジットされていた作者クレジットは下にまとめてあります。マトリクスは機械打ちでLCCI-1126 A/LCCI-1127 Bです。ジャケットは②です。ジャケットの表側はこれ以降紫から白黒に変わります。

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B面のラベルです。

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オレンジにシルバー文字のラベルです。ジャケットに(1978)があるので70年代後半のプレスだと思います。こちらはオリジナル盤のようにリムの上部にDISCOS COLUMBIAがあります。面表示は右側にあります。マトリクスは逆さ文字となっています。作者クレジットは一曲ごとにあります。マトリクスは機械打ちで850 LCCI 1126 R ▽2J COL/850 LCCI 1127 R ▽2J COLです。 ジャケットは③と④です。

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B面のラベルです。

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80年代の青ラベルです。ここから規格番号が63 99 156と変わりますが、その上に旧番号のLK 4786があります。マトリクスは逆さ文字です。基本的な文字の配置は上のラベルと同じです。マトリクスは機械打ちで850 LCCI 1126 R ▽2J COL/850 LCCI 1127 R ▽2J COLです。このマトは上と同じです。ジャケットは⑤です。

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B面のラベルです。

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スペイン盤の特徴はレコードが厚いことですが、これはオイルショックの頃でも盤は厚く、ジャケットもオリジナルから最終プレスまで全て厚くしっかりとした造りになっています。しかしこうしてみるとスペイン盤はラベルの変遷が激しくレコードの溝なども時期によってこんなに違う国も珍しいですね。音はUKモノラル盤と比べるとややこもった感じで、UK盤の方が各楽器がはっきり聞こえます。また、このアルバムからリアル・ステレオが作られましたがスペインでは80年代の最終プレスまでモノラルしか発売されなかったという謎も残りますね。