ローリング・ストーンズ アナログ盤蒐集生活!

ただひたすらにローリング・ストーンズのレコードを紹介しているブログです。

ローリング・ストーンズ USA盤 STICKY FINGERS② 再発盤いろいろ!!

前回に引き続きUSA盤『STICKY FINGERS』です。今回は再発盤を取り上げます。最初は1979年に規格番号がCOC 59100からCOC 39105に変更となったレコードです。ヨーロッパ、日本では配給元がEMIに変わりましたが、アメリカではWEAのままだったのでCOCのままで番号だけ変わりました。ジャケットはオリジナル盤と全く同じで、背の部分だけがCOC 39015と変わっただけです。背の下部に規格番号がありますが、外側からはここで判別するしかありません。

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裏ジャケ右下の部分はATCOなどのクレジットがないタイプです。前回、オリジナル盤の時にATCOのクレジットがある方を初期型と判断したのはこの再発盤にATCOのクレジットが無いことから後期型はクレジットがないものと判断したからです。。

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インナーです。インナーも基本的にはオリジナル盤とほぼ同じですが写真側の上部レコード取り出し口の中央が丸くカットされています。

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インナーの反対側です。文字の配置はオリジナル盤のインナーと全く同じです。

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インナーの右下にCOC 39105と新しい番号があります。

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ラベルです。上部の規格番号がCOC 39105となっています。プレス工場コードはMOです。リムはROLLING STONES RECORDSから始まる小さな文字です。マトリクスは手書きでST-RS-712189FF PR △23602/ST-RS-712190BB PR △23602-Xです。前回の『スティッキー』の時に紙ジャケ探検隊さんから溝にPRとあるのはPRESWELLで製造したマザーの意味で、それを使ってMO、RI、SOがプレスしたことを教えて頂きました。紙ジャケさん、貴重な情報をありがとうございました!

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上と同じMOですがリムにWのロゴがあります。その他の文字の配置等は上と同じです。マトリクスは上と同じでST-RS-712189FF PR △23602/ST-RS-710190BB PR △23602-Xです。

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プレス工場コードがSPです。リムにWのロゴがあります。マトリクスは手書きでST-RS-712189H 1-2/ST-RS-712190H 1-2です。

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アメリカでは84年に配給元がCBSに変わります。87年7月から過去のタイトルが再発されますが、『STICKY FINGERS』は87年11月13日に発売されました。規格番号はFC 40488です。このCBS盤は印刷がコピーと思えるほど不鮮明で、ジッパーが印刷になってしまい何とも味気のないものとなってしまいました。中のブリーフの印刷もなく普通のシングル・ジャケとなっています。

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裏ジャケです。右上にバーコード、左下に各クレジットがあります。

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右上のバーコードの部分です。

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左下にベロマークとCBSの住所などが書かれています。

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インナーです。インナーは艶のあるすべすべした紙質となっています。WEA時代は写真側の上部レコード取り出し口が丸くカットされていましたが、CBS盤はベロマーク側上部が全体に切り込みが入っています。片側はメンバーの写真です。

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右下に40488とあります。ジッパーは印刷でシングル・ジャケ、シートも味気なく何となくつまらない再発盤です。

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ラベルです。左側にベロマークとSTEREO、右側にSIDE ONEと規格番号のFC 40488とマトリクスのFC 40488があります。マトリクスは手書きでAL-40488-1B/AL-40488-1Aです。何故か枝番の最後のアルファベットがAB逆になっています。

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94年に配給元がヴァージンに変わってからの99年10月19日、『STICKY FINGERS』『EXILE ON MAI ST.』『SOME GIRLS』の3タイトルのみ限定でアナログ盤が発売されました。おそらく特殊ジャケだけアナログで再現した企画だと思います。規格番号は7243-8-47863-1-1です。専用のビニール袋にLIMITED EDITIONの丸いステッカーが貼られています。ビニール袋の内側にはジッパーの破損と別のレコードにダメージを与えないようLP大のプラスティックの保護材が挟まれています。ジャケットはいかにもコピーといった感じで紙質もすべすべで味も素っ気もない感じです。ジーンズがまるで影のように不鮮明になっています。

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ステッカーの部分です。

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裏ジャケです。右上にバーコード、今までベロマークがあった右下にVirginのロゴがあるので印象が大分違います。

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右上のバーコードの部分です。何度も書いてますがこのバーコードってデザインを損ねるので何とかなりませんかね!

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右下にヴァージンのロゴがあります。

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下部中央に規格番号があります。

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左下の部分です。

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オリジナル盤はこの部分が開けないように糊付けしてありましたが、ヴァージン盤は元々糊付けがなく見開き仕様となっています。ニュージーランド盤のように見開きの内側からレコードを取り出すのではなく、レコードは普通に横から出し入れします。

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オリジナル盤はインナーでしたが、シートとなっています。ちなみにレコードは普通の白い内袋に入っています。

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反対側です。

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右下のクレジットの部分です。ジャケットのデザイナーやコンセプト、印刷所などかなり詳しく書かれています。キースのクレジットはRichardとなっています。一番下に規格番号があります。

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ラベルです。左側にベロマークとVirginのロゴがあります。右側にSIDE ONEと規格番号があります。曲目は1曲づつタイトル、作者の順で並んでいます。「Brown Sugar」は中心より下にあります。マトリクスは手書きで#72438-4786-311-A  3167-1(3)/#72438-4786-311-B  3167-2(3)です。

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規格番号がCOC-39105のレコードは型番が変わっただけで、オリジナルのCOC-59105のジャケット、レコードを引き継いだものでしたのでジャケットの仕様や、インナー等変わりがありませんが、CBS盤とヴァージン盤はジャケットの印刷が不鮮明で何とも味気のない再発盤となっています。このレコードは印刷のジッパーよりやっぱり本物のジッパーが付いている方がいいですよね!次回は『スティッキー』のモービル盤と放送局用のレコードを紹介します。

ローリング・ストーンズ USA盤 STICKY FINGERS ①オリジナル盤 いろいろ!!

ローリング・ストーンズのUSA盤『STICKY FINGERS』です。1971年4月23日に発売され、規格番号はCOC 59100です。今回はこの規格番号がCOC 59100のオリジナル盤を紹介します。もう説明不要ですがローリング・ストーンズ・レコード(以下RSR)からの第一弾アルバムで、ヒット曲「Brown Sugar」から始まるストーンズの代表的なアルバムです。RSRアメリカでの配給元はATCOです。ジャケットは本物のジッパーが取り付けられ、USA盤はグループ名、タイトルがベルトのところにあり、UK盤とは位置が違います。

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タイトルとグループ名の部分です。UK盤の『STICKY FINGERS』の記事にこのタイトル部分がUK仕様かUSA仕様か、各国の分類を載せてありますのでよろしかったらご覧ください。日本盤はUSA盤と同じ仕様でしたね!

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ジッパーです。USA盤はやや小さめのジッパーが付けられています。

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裏ジャケです。こちらも各国共通のデザインです。

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左下にベロマークとROLLING STONES RECORDSと住所があります。

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右下の部分です。こちらは2種類あり、DISTRIBUTED BY ATCO RECORDSとアトランティックのクレジットや、PRINTED IN U.S.A.と印刷所のクレジットがあるものとそれらのクレジットが全くないものがあります。ジーンズの陰になっている部分から考えて印刷がずれて活字が内側に巻き込んでしまったわけではないのが分かると思います。このATCOのクレジットがある方が初版で、71年の終わりにはこのクレジットがなくなったという説と、クレジットがなくなった後も並行して発売されていたという説がありますが、これはただ今調査中ですのでなにか分かりましたら追記します。

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インナーです。各国同様アンディ・ウォーホールが撮ったメンバーの写真が使われています。ミックがあくびをして、キースがジャンバーに手を突っ込んで体をくねくねしている様子やビルが鼻を押さえていたりして何だかリラックスしていますね!この時のフォト・セッションでは何枚か撮られていますがどれもメンバーのリラックスした姿が見れて面白いですよね!

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USA盤のインナーの特徴として上部レコード取り出し口の中央が丸くカットされています。

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反対側はベロマークと各クレジットがあります。クレジットはおおまかにUK仕様とアメリカ仕様があります。UK盤はベロの中に曲名があり、曲目、担当楽器は1曲毎に横に長く下線で区切って書かれていましたが、USA盤はA面、B面と分かれてまとまって書かれています。この形式は当時の日本盤と同じなのでこのUSA盤の方が馴染みがありますね。

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A面の曲目です。各メンバーの担当楽器がクレジットされています。

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B面の曲目です。

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インナーの下部にRSRとDISTRIBUTED BY ATCO RECORDSのクレジットがあります。

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右下に著作権表示©1971 MUSIDOR, N.V.と、Printed in U.S.A.があります。

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ラベルです。RSRのイエロー・ラベルです。USA盤は基本的にほぼ同じラベルでプレス工場が違うだけです。順番は関係なくどれが初版と言うわけではありません。リムの住所が旧住所のラベルや、同じプレス工場の場合旧住所、新住所の順で行きます!USA盤はUK盤のような焼印を押したデザインではなく普通の黄色いラベルとなっています。上部にCOC 59100とグループ名、タイトルがあります。曲目は「Brown Sugar」だけ中心の穴の上にあります。タイトル、タイム、作者クレジットの順で並んでいます。左側にベロマークとSTEREOが、右側にSIDE ONEがあります。これらの部分は以降のラベル全て同じです。リムは旧住所です。一番下にマトリクスがありますが、このラベルは末尾に付くはずのプレス工場の表記が無い珍しいタイプです。マトの下にRS-13653とありますが、これは何の番号なのか不明です。マトリクスは手書きでST-RS-712189 FFFF  PR/ST-RS-712190 CCCC  PRです。この他にROLLING STONES RECORDSとあります。この表示はこの他のラベルのマト全てにありますのでこれ以降省略します。マトにPRとあるのでニュージャージー州のPresswell Recordsのことかも知れません。ただ、後で挙げるPR製のマトとは末尾が全く違うのでこれは不明です。 

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プレス工場コードはPRでニュージャージー州のPresswell Recordsのことです。リムの住所は旧住所です。マトリクスは手書きでST-RS-712189 A/ST-RS-712190 Bです。上のラベルがPR製とするとマトの末尾が全く違います。

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プレス工場コードは上と同じPRですが、リムが新住所となっています。マトリクスは手書きでST-RS-712189 D/ST-RS-712190-Bです。

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プレス工場コードはSOでニューヨーク州のSonic Recording Productsのことです。リムは旧住所です。マトリクスは手書きでST-RS-712189 B/ST-RS-712190 Bです。

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プレス工場コードはMOでカリフォルニア州のMonarch recordsのことです。リムは旧住所です。「Brown Sugar」は中央の穴の下にあります。下部のプロデューサー・クレジットが他のラベルと違い2行に渡ってクレジットされています。マトリクスは手書きでST-RS-712189 AA  △15943 (8)/ST-RS-712190  CC  △154943-X (7)です。

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上と同じMOですがリムがROLLING STONES RECORDS~から始まるものとなっています。住所の部分は旧住所のままとなっています。プロデューサー・クレジットは2行に渡ってクレジットされています。マトリクスは手書きでST-RS-712189-CC  △15493 (5)/ST-RS-712190 AA  △15493-X (4)です。 

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プレス工場コードはRIでインディアナ州のPRC Company Richmondの事です。リムは旧住所です。「Brown Sugar」は中央より下にあります。プロデューサー・クレジットは横1行となっています。マトリクスは手書きでST-RS-712189 BBB F1/ST-RS-712190 AAA 1です。このマトは薄くてF1なのか違う文字なのか判別不明です。

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プレス工場コードは上と同じRIですが、リムが新住所となっています。右側のSIDE ONEのフォントが他のラベルと違います。「Brown Sugar」は中央より下にあります。プロデューサー・クレジットは横1行です。マトリクスは手書きでST-RS-712189 BBX  1-11/ST-RS-712190 FFF-1  PRです。このマトも薄く読みづらくBBXの辺りが怪しいです。また、プレス工場はRIにもかかわらずPRの文字があります。

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プレス工場は4ヶ所とプレス工場表記なしが1枚と今のところ5か所のプレス工場を発見しました。ラベルでの主な違いは「Brown Sugar」が中央の穴の上にあるものと下にあるものと、PRODUCED BY JIMMY MILLERのクレジットが1行か2行の違いがあります。ここではB面のラベルの写真は挙げていませんがB面の「Bicth」も同じように穴の上にあるものと穴の下にあるものがあります。マトは私の持っているレコードのマトなので同じラベルでも違うマトがあると思います。『スティッキー』はストーンズのアルバムの中で最も聴く機会が多いアルバムです。いかにもストーンズといった「Brown Sugar」で始まり最後の幻想的な「Moonlight Mile」まで、バラードあり、セッション風あり、ブルースやソウルといったストーンズの魅力が凝縮されたレコードですよね。何年経っても色褪せない名盤だと思います。次回はUSA盤の再発盤を紹介します。

(追記)

紙ジャケ探検隊さんからPR製以外でもマトにPRとあるのはPresswell Recordsで作られたマザーを使用しているとの情報を頂きました。紙ジャケさん、ありがとうございました!

ローリング・ストーンズ リアル・ステレオのユーゴスラビア盤EP FIVE BY FIVE !!

ローリング・ストーンズユーゴスラビア盤EP『FIVE BY FIVE (5X5)』です。1973年(76年説も)に発売され、規格番号はEPDC-19001です。ユーゴスラビアでの配給元はJugotonという会社です。イギリスではデッカ時代に3枚のEPが発売されていますが、ユーゴスラビアではこのEPしか発売されておらず、しかも73年になってからの発売です。内容はUK盤と同じ5曲入りです。このEPはジャケットにはMONOと書かれていますが、全曲ステレオで収録されています。これは以前紹介したUK盤の一部にステレオがあるのと同じですね!ジャケットは薄く、エンボス加工したような紙で作られており、UK盤と同じ写真が使われています。

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左上の部分です。他国ではこの部分はMONOとありましたが、ここではEPを表すExtended Playと、規格番号のEPDCD-19001があります。拡大するとエンボス加工がよくわかると思います。

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右下にDECCAのロゴがあります。

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裏ジャケです。基本的なデザインはUK盤と同じです。

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裏ジャケ右上にMONOのクレジットがあります。

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曲目の下にDECCAのロゴとユーゴスラビアでの配給元のJugotonのロゴがあります。DECCAのロゴの上に小さくMADE IN YUGOSLAVIAがあります。

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UK盤と同じくミックのクレジットをMike Jaggerとミスっています。

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ラベルです。青と白のラベルです。上部に70年代前半に南アフリカなどで使われていた浮き出るようなデザインのDECCAのロゴがあります。左側に規格番号のEPDC 19001が、そして右側にSTEREOのクレジットがあります。ジャケットではMONOだったのになんでステレオ?と思い聞いてみると全曲リアル・ステレオです。以前紹介したリアル・ステレオのUK盤は70年代後半のプレスだと思いますが、それよりも早くユーゴスラビアでは1973年にリアル・ステレオが出ていたことになりますね!STEREOのクレジットの下に面表記があります。面表記のクレジットはSTRANA 1/STRANA 2です。マトリクスは手書きでEPDC 19001-1/19001-2です。

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B面のラベルです。

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チェス・スタジオで録音されたこの5曲は元々リアル・ステレオのみで録音されていたという説があります。当時はモノラルの盤面でプレスしたのでステレオがそのままモノラルになっていて、このEPとUK盤の一部のEPではステレオ用のプレス機でプレスされたのでリアル・ステレオになってしまったという事らしいですが詳細は不明です。80年代に日本編集盤の『チャック・ベリーを唄う』に入っていたリアル・ステレオの「Confessin' The Blues」や、その後CD化された時一挙に5曲もリアル・ステレオとなっていたので当時は驚きましたが、それよりも前にリアル・ステレオが出ていたなんてホントにどんな国でどんな音源が出ていたのか探すのが面白くなりますよね!