ローリング・ストーンズ アナログ盤蒐集生活!

ただひたすらにローリング・ストーンズのレコードを紹介しているブログです。

ローリング・ストーンズ FLOWERS ベルギー盤サイケ・カヴァー いろいろ!!

ローリング・ストーンズのDiffカヴァーで有名なベルギー盤『FLOWERS』です。USA盤よりもサイケデリックで派手なデザインになっています。このアルバムの微妙な違いを調べたら7種類もあったので今回全て取り上げます!大まかに分けるとこのアルバムは3回発売され規格番号も3種類存在します。発売日、規格番号の順です。

①68年7月 SSS 120

②70年代初頭 SSS 120Y 636

③73年頃 193.515Y 790 (ジャケットは790/193.515-Y)

ジャケットのデザインは規格番号が変わる程度で基本的には同じです。まずは68年8月に発売されたSSS 120から。右上にSSS 120、右下にDECCAのロゴ、左上に当時のベルギー盤によく見られたカラフルなSUPER SOUND STEREO表記があります。メンバーの写真は5人ともUSA盤とは違うものが使われています。

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左上にSUPER SOUND STEREOのクレジットがあります。

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裏ジャケです。①SSS 120 と②SSS 120Y 636の両方共規格番号を除き広告のレコードも含め全く同じデザインです。下部中央に印刷所VAN NUFFEL PRESS, Aalstのクレジットがあります。こちらの印刷所のクレジットに前者は電話番号がなく、後者で電話番号が追加されています。

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裏ジャケ右上の規格番号の部分です。上が①SSS 120、下が②SSS 120Y 636です。

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左上のSUPER SOUND STEREOの部分です。これは①②共通です。

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A面の曲目です。「Out Of Time」はフェイドアウトが早いヴァージョンです。

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B面の曲目です。「Sittin' On A Fence」が「Sittin' On The Fence」となっています。  

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下部に中央に印刷所のクレジットがあります。こちらは電話番号が追加された方です。

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SSS 120のラベルです。ベルギー盤のLPは68年にUNBOXED DECCAからBOXED CECCAへと変更となっているのでこの当時のベルギーの標準的なデザインです。こちらはラベルにMADE IN BELGIUMがどこにもないタイプです。マトリクスはZAL-7752-1W/ZAL-7753-1Wです。このマトはUK盤『FLOWERS』の輸出仕様と同じです。

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次は基本的には上と同じですが、DECCAのロゴの下にMADE IN BELGIUM BY FONIOR S.A.のクレジットがあります。マトは-1W/-1Wのまま変わりません。

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次は上のラベルからSUPER SOUND STEREOがラベルの中央より下に移動したタイプです。マトは-1W/-1Wのまま変わりません。ここまでの3枚はマトが同じなのでどれが初版のラベルなのかは不明です。

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右上の部分です。70年代初頭に規格番号がSSS 120Y 636へと変わります。ジャケットの右上の規格番号のクレジットも変わり上が②SSS 120Y 636です。下が①SSS 120のジャケットです。これ以外は全く同じです。

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SSS 120Y 636に変ってからのラベルです。マトは-1W/-1Wのまま変わりません。SUPER SOUND STEREOがDECCAのロゴの下に戻りMADE IN BELGIUM BY FONIOR S.A.のクレジットはなくなってしまいました。SIDE 1が左側にあります。

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次は上のラベルからSIDE 1が右側に移動したタイプです。マトは-1W/-1Wのままです。この2枚もマトが同じですのでどちらが最初か分かりませんが、今までの流れからSIDE 1が左側が先のような気もします。ここまでの5枚はまだまだ研究の余地がありそうです。余談ですがUK輸出仕様のステレオ盤も後期までずっと-1W/-1Wのままでした。

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上のラベルからSIDE 1の表記がなくなってしまいました。マトリクスは-1W/-1WのものとZAL-7752/1//ZAL-7753/1のものを確認しました。後者は枝番との間の記号が-から/に変更となったのでここではA面とB面の境を//で表示しています。ZAL-7752/1//ZAL-7753/1のマトはこの後の再発盤で使われているので、おそらくこのラベルの途中でマトの変更があったと思います。

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次は73年頃のプレスと思われる規格番号が③の193.515Y 790に変更されたものです。ジャケットの左上がPRESENTINGと変わります。

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左上の部分です。発売当初から左上にあったSUPER SOUND STEREOの箇所が下の画像のようにPRESENTINGと変わっています。

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ジャケット右上の規格番号の部分です。上が②SSS 120Y 636のジャケット、下が③193.515Y 790のジャケットです。規格番号のクレジットがなくなっています。よく見ると番号が消された跡が残っています。

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②SSS 120Y 636の一部と③193.515Y 790のDECCAのロゴが下の枠が2重になっていて不自然なロゴになっています。①と②の初期型は上の通常のロゴで、②の途中から下のロゴに変わったと思います。

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リア・カヴァーも変更となり、73年頃フランスとベルギー、ギリシャで発売されたストーンズの「L'age D'or des ROLLING STONES」シリーズの中から8枚が載っています。ジャケット右下にPRINTED IN BELGIUM BY DARON-BRUYNINCKX BRUSSELSと印刷所のクレジットがあります。また、このレコードの規格番号はジャケットでは790/193.515-Y、レコードのラベルでは193.515Y 790 と順番が入れ替わっています。

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右上の規格番号の部分です。ジャケットは790/193.515-Yとなっていますが、ラベルでは193.515 Y 790と順番が逆になっています。

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下部中央にPRINTED IN BELGIUM BY DARON-BRUYNINCKX BRUSSELSとあります。ここで初めてベルギーのクレジットが登場します。

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ラベルです。マトリクスはZAL 7752/3//ZAL 7753/2です。A面とB面の境は//です。前回のラベルでは1/1だったので枝番が少し進んでいます。また、今まであったSUPER SOUND STEREOのクレジットがなく、SIDE 1、SIDE 2の表記もありません。先にも書きましたがラベルでは193.515 Y 790となっています。

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このベルギー盤は87~8年頃初めて入手しました。初めて買ったものがジャケットと盤がボロボロだったので何年か後に買い直したらラベルのデザインが違うのに気が付きました。ジャケットも海外盤特有の書き込み(自分のサインや好きな曲に印など)のあるものが多く、書き込みがないものを探しているうちに規格番号が違うものを発見しました。ここでは7種類挙げましたがまだまだあるかもしれませんので、このほかのデザインのものをお持ちでしたらご連絡ください。ベルギー盤は他のタイトルでも独自のジャケットのものが多数あります。小さな国ですが73年のオイル・ショックの時には隣国のフランス盤をプレスしていた時期もあり、シングル、アルバム共コレクションとしては面白いものに出会えます。この『FLOWERS』ベルギー盤は『サタニック~』に負けないくらいサイケデリック調の素晴らしいデザインで気に入っているレコードです!